SS:歩き疲れた思い出
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実感が湧かないんなら夕暮れの空を見上げてみると良い――
あの炎のような赤よりもっと真赤な赤が、俺達の身体には流れているんだ――
あの赤い色が俺達の身体を駆け回ってるから、俺達は好きな人を抱くことも出来るのさ――
現実世界の町を歩いていると、ふと自分がこの世界で独りぼっちになっているような錯覚を覚える瞬間というのがある。
自分だけ置いていかれている、自分だけ取り残されている・・・でも、1日経ってみればそんなものは気のせいだって思える瞬間が来るかもしれない。
だって、あの真赤な太陽を見ているのは俺だけじゃない。
地球上の数えきれなぐらい沢山の人間が同じものを見ているんだから。
「このゲームの世界の身体でしか会えなくとも繋がりは繋がりさ。この身体に血が流れて無くても、現実の身体に血が流れてるからこうして出会えるんだろ?」
「・・・・・・お兄さんってば歌で人を励ますの好きだよね。ミュージシャンってそういうものなの?」
「まぁ、俺が人を励ますような歌が好きだからな。・・・言っておくが、いつも歌で表現してる訳じゃないからな?そんなことやってたら唯の変人だ」
ラブソングを歌うのは結構だが、恋人の前でしつこく歌っても効果はないどころか引かれる、といつかクラインのおっさんが言っていた。俺もそんな奴がいたらちょっと引く。
前に風の噂で「歌いながら戦うプレイヤー」の話を聞いたが、そいつも実際に会ってみると普通の子だったし。というか、俺がミュージシャンを名乗るのはおこがましい気がする。
「いつか自分でアスナ達に会いに行くよ。その時はお兄さんにも会って、何か歌を聞かせるね?」
「おう、楽しみにしてるよ」
――今日はここまででいいだろう。SAO語りが終わった時、ユウキはどうするんだろうか。
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