SS:歩き疲れた思い出
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
うだ。
しかし、年下の女の子2人をはべらす大学生ミュージシャンもどきか。
実に胡散臭くて軽そうな肩書きである。今は客がこの2人しかいないからくっちゃべっても構わないが、本来は歌を歌うためにここに来たってのをこの2人は分かっているんだろうか?
「というかアルゴ・・・普段ALOやってない癖してよく俺がここでライブしてるって分かったな?」
「そりゃあ連絡取り合ってる奴もココにはいるからナ」
情報屋は伊達じゃない、とでもいうように自慢げな顔をするアルゴ。
実際彼女の腕を疑ったりはしないが、考えてみればそれでも少し妙だと思う。
「いや、今日俺がここに来たのは大学の講義が中止になったから暇が出来て突発的に来たんだ。だから俺のリアルとゲームの両方の事情を知ってない限り俺がこの時間帯にいるってことも分からなかった筈、なんだ、けど・・・・・・」
言いかけて、俺は気付いた。
ニコニコ笑っていたアルゴの頬が引き攣っている。
あからさまに怪しい。仮想世界では感情エンジンがオーバーであるため、考えていることが顔に反映されやすいのだが・・・こいつ、なにかやましい事をしているのでは。
パッと思いつく限りでは3つの可能性が思い浮かぶ。
1、現実世界の路上ライブをしている俺を発見して探偵紛いの追跡で個人情報を手に入れている。
2、俺の現実世界の周囲にアルゴの知り合いがいて、俺の行動を監視させている。
3、――
「お前まさか俺と同じ大学にいるんじゃ・・・・・・学部が違えば顔を合わせないくらい良くあることだし」
「・・・・・・何のことかナ?」
「それ以外だとお前が俺をストーキングしていることになるんだが、そういう認識でいいか?」
「スマン、さっきので合ってル。だからその話をそれ以上広げないでくレ」
自分の発言が迂闊だったことを誤魔化しきれなくなったようだ。
情報屋にあるまじき失態を恥じるように顔を赤くしながら、アルゴは誤魔化すようにニャハハと笑った。
SAOに閉じ込められた人間は政府によって手厚い保護を受けた。
それは大学生も例外ではなく、人間関係なども考慮していくつかの国立大学に集められて大学生活の続きを送っている。だから出会っていても何もおかしくはないのだ。勿論一言に大学と言っても専門分野によって様々だし、元の大学で勉学に励みたいと要望すれば融通を利かせてくれるらしいが。
案外、実年齢がばれるのが嫌で気付かないフリをしていたのかもしれない。
髪の色はゲーム内でも現実でも染められるから、特徴的な金髪も目につかないように出来る。俺の勝手な推理でしかないのだが。
(というか大学生だったのか・・・てっきり結構年下だと思ってたが)
しかし言われてみればアルゴはキリト達の前ではオネーサンぶるけど俺に対してはタ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ