SS:歩き疲れた思い出
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だ」
「さぁ、もうデータが吹っ飛んでるから確認できないナ〜・・・ニャハハハ!」
「いいかユウキ。お前はあんな汚い人間にはなるなよ。綺麗な心のお前でいろ」
「え、う、うん・・・」
「・・・オイラ、傷つくゾ?泣いちゃうゾ?」
俺のSAO過去語りは別に場所を選ばない。
そもそもユウキと出会ったのも余所だから、開いた時間で突発的路上ライブの最中に会えば話をすることもある。
――最近は「ヴァーチュアル・ライブ」と呼ばれることがあるんだが、それは別のミュージシャンの専売特許だからオンラインライブとかにして欲しいものだ。
とにかくそういう訳でライブをしていたら何処から聞きつけたのかユウキがやってきて、そこに懐かしい知り合いが一人追加された。
アルゴ――確か二つ名は「鼠」だったか。顔に鼠の髭みたいな赤いペイントラインが入っている変な女の子だ。
情報屋を営んでおり、ゲーム開始当初から何かと助言を貰ったプレイヤーだ。最初は情報量だけ代金を請求されたが、本気で金が無い事を知ってからも色々情報を漏らしてくれたので根はいい奴の筈である。
ちゃっかり俺をダシに商売して元はとったようだし、俺も俺で助けられた。
ギブアンドテイクの関係だったと言えるだろう。現実世界で言えば・・・プロデューサーということになる。
「そういえばアルゴ。お前ALOでは姿見せなかったけど、今まで何やってたんだ?」
「SAOじゃない世界ではオイラみたいな情報屋は需要があんまり無いのサ。ほら、ここは閉じられた世界じゃないからネットの攻略サイトや掲示板、プレイヤー同士で幾らでも情報が広がるだロ?だから余所のゲームやってたんダ」
今日やってきたのは顔馴染が元気か様子を見に来ただけらしい。
元々SAO攻略には積極的に補助をしていたが、それはあれが命がけの世界だったからだ。
今のALOみたいなゲームではそこまでやる必要はない。
初対面であるユウキはそんなアルゴの話を元攻略組から既に聞いていたらしい。が、妙にむくれているのは何故だろうか。
「・・・アスナ達に会いに行かなくていいの?」
人見知りするような子には見えなかったが、今の彼女の声には普段は感じられない棘があった。
「それは後でいイ。時間的に一番会いにくいブルハと先に会っておこうと思ったのサ」
「むう・・・じゃあもう話せたんだから用事ないじゃん」
「オイオイ、別に話し相手を盗もうって訳じゃないんだからこれぐらい勘弁してくれヨ。カワイイ顔が台無しだゾ?」
アルゴを睨むユウキと、それに苦笑しながら潔白を示すように両手を上げるアルゴ。
ユウキの方はともかく、アルゴは彼女の事をそれなりに気に入ったようである。からかい甲斐があるとでも思っているのだろう。さしずめ今のユウキは玩具を横取りされた子供のよ
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