始まりカラ物語へ
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どう書き始めるとしようか。
当たり前の中にいた、ごく普通の存在である僕の
ほんの少しの物語
特に自慢できることでもないが
一つ一つ語り出していいだろうか
これは僕が泣いて、笑って、戦った物語
どこにでもいる、バーストリンカーの物語
そう。これは、レベルに囚われ、加速に囚われ、現実を嫌う
バーストリンカーの物語
☆☆☆
「おい、シズルお前最近チョーシのってんじゃねえか?」
はあ。また、だ。自分が力を出せば出すほど、憎まれ、蔑まれ、挙げ句の果てに武力へと走る。
何度目だろう。
「おいシカトとかひどくねぇ?オハナシすらできないのか?あぁ?」
「おいおいやめとけって。こわくてセンセー呼んじゃうかもしんねえぜ?」
「んなこと言いながらカツアゲしようとしてるの誰だよ」
三人の髪を染めた「昔ながら」の不良達は笑いながらこちらを睨みつける。
思い返せば他愛もない言い争いが原因だった。
先週の日曜あたりの事だ。近くの公園に立ち寄ると女子が今の俺と同じような状態でこいつらにからまれていたから止めに入っただけだ。もともと体術の心得どころか喧嘩すらめったにしない俺が勝てる筈もなく、女子を逃がした後かっこよく殴られたわけだ。それからだ、こいつらは新しい獲物を見つけたかのように他校の俺のところにわざわざ会いに来てはお金を奪っていく。
「シカトなんて人聞きが悪いなぁ。それで、今日はいくらカツアゲするの?君たちが毎日のように会いに来てくれるおかげで財布の中身はそろそろからっぽなんだが。」
「物わかりが早くて助かるぜ、シズル君よお。ざっとこんなもんよ」
そういうとリーダーらしき金髪ピアスが指を三本立てる。三百でも三千でもない。三万の要求だ。
ダントツで歴代最高要求額だ。
「さすがにそんなに持ってるわけないよ。他をあたってくれ。」
そういうと俺はかけだしていた。ただ怖かったのだ。友達と言える存在も数少ない自分にとって人と会話することすら苦痛以外の何物でもない。相手が不良ならなおさらだ。
…それでも俺はまだこっちの世界を捨てちゃいけない。
心の中で毎日のように反復していた言葉をまた反復し、俺は走りながら家へと向かった。
☆☆☆
誰もいない自宅に足を踏み入れた俺は、無言で自分の部屋へと向かった。
自らの部屋に入り、学校の準備を行う。中学二年生にもなるというほど準備するものもなく、五分とかからず終え、何の気なしに巨大な二段ベットの下の段にもぐりこんだ。
仰向けになり誰もいない上の段をうつろな瞳で見つめながら拳を握りしめた。
「兄さん…」
義兄であり、仲間であり、戦友であった人のいた場所。いや…いるべき場所である俺の真上。
握りしめた拳は行くあ
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