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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第26話(最終話) 『これからの二人は』
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してたみたいな形になっちゃって……」

 流石に水臭すぎたかと謝ったのだが、カリナは「アハハハハ!!」と豪快に笑っただけだった。

「いいっていいって、そんなの!!
第一そんなん話されてても、そーいうのにキョーミないアタシには退屈なだけだったろうからね!!」

 そしてそんな言葉と共に、バンバンとこちらの肩を叩いてくる。

……正直、結構痛かったのだけれど、
カリナなりの照れ隠しやこちらへの慰めでやってくれている事だと思えば、
面映くはあっても止めようとは思えなかった。

「しっかし、あのボウヤに他に好きなコが、ねえ……?」

 やがて落ち着いたカリナが、首を傾げながらそんな事を呟いてきた。それに、雪姫はまた俯いてしまう。

「ねえ、それホントに間違いないの? なんかの聞き間違いとか、勘違いとかさあ」

 そんな風に尋ねられたが、首を左右に振る事しか出来なかった。

──これまでに何度か、アクシデントや勘違いで振られると思った事はあった。
──けれど、今回のは。もうどこにも、誤解の余地なんて見当たらなくて。

 改めてそう考えて、また涙が零れそうになったところで、

「でもさあ? あのボウヤ、間違いなく雪姫にも惚れてたと思うんだけど。
雪姫のコト、めちゃめちゃ意識してたじゃないの」

 未だ納得がいかない様子のカリナが、そんな事を言ってきた。

「雪姫のコト、命がけで守ってみせたりしてさあ。
そりゃあ人の良さそうなボウヤだったけど、
大して思ってもない相手の為に、いくらなんでもそこまでするもんかねぇ?」
「……それは……」

──自分だって思わなかった訳じゃあないけれど。確かに、意識はしていてくれたのだろうけれど。
──でも、今となっては……

 そんな風に沈んでいく雪姫を他所に、カリナは

「ホントなら、雪姫のコト泣かせるなんて、今すぐぶっトばしにいくトコだよ?
でもあのボウヤにはそういう立派な功績とかもあったし、とりあえずは我慢してるんだけど……」

 ぶつぶつとそんなセリフを呟いていたけれど、やがて表情を改めると、

「ところでさ。ボウヤがそのまくらってコが好きだったからって、どうだっていうの?」

──予想外の質問に、一瞬思考が真っ白になった。

「……え? え、いやだって……?」

──計佑には他に好きな人がいる。
──つまり私の失恋は決定じゃないか。
──これで何が『どうだっていうの』なのか……?

 突飛なカリナの言動に振り回されるのは珍しくない事だったけれど、
今回のはいくらなんでも意味不明すぎた。ポカンとしていたら、

「だってそのコ、引っ越しちゃったんでしょ。
遠距離恋愛なんて普通ムリだって聞くし、結局雪姫
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