暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第26話(最終話) 『これからの二人は』
[2/46]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
の妹だからって言ってたくせに。本当は、女のコとしても好きだってなんて。

「あんまりだよ……っ。こんなに好きにさせておいて、そんなのって……!」

──わたしは、『あの私』よりも、ずっとずっと計佑くんのコト好きになっちゃったのに……!

 少女の脳裏を、初デート前日の晩に見た夢の事がよぎって。そんな心の声が浮かんだ。
"夢" でしかない筈の事を、実在した何かのように考える不自然さ。

……けれど、少女にその不自然な言葉を深く考える余裕はなくて、ただただ悲しむ感情に溺れてしまう。

──せめて、こんなに好きになる前に言ってくれていたら。
──島での夜の時、そう言ってくれていたら……こんなに悲しまなくても済んだのかな。

 そんな風に考えて、

──……そんな訳ないか。あの時でもう、私は計佑くんのコト好きで好きでたまらなかったんだもんね……

 既に計佑で一杯一杯だった過去の自分を思い出して、自嘲する。
引きつった笑みに唇の片方がつり上がったけれど、また新たに涙もこぼれてきた。

──いつの間にか自惚れていたのだろうか。
──少なくとも、告白した時点では受け入れてもらえる自信なんかなかった筈だった。
──……それなのに、いつしか自分は……

 そんな風に自省する考えも浮かんだけれど、

──……でも、あんな風に接してきてくれて。
──あんな言葉をかけ続けて来られたら、好きになってもらえると思うのは。
──もう時間の問題でしかないんだと、そう考えるのは仕方ないじゃないか。

 納得出来ない気持ちもすぐに浮かんできて。

……けれど、

──……でも、まくらちゃんだったら。当たり前の話なのかな……

 選ばれた相手の事を考えると、責める気持ちは持てなかった。

──自分のような仮面優等生とは違う、心の底からの、本物の笑顔を振りまける少女。
──計佑と同じ、"本当の" 優しさを持った女の子。
──そんな女の子とずっと一緒にいたら、好きになるなんて当たり前の話で……

「いや……嫌だよっ! それでもやっぱり、諦めたりなんて出来ないよ……!!」

 思わず叫んでしまっていた。

 計佑に相応しいのは、自分なんかよりまくらだとわかっていても、
まくらなら、間違いなく計佑を幸せにしてあげられるとわかっていても。
勝ち目がないと知れば、打たれ弱い自分だったらさっさと尻尾を巻いている筈なのに。

……それでも、もう自分の中で膨らみすぎてしまった想いは、捨て去る事は出来なくて。


──結局、この日の雪姫は、夕食もとらずに。一晩中ベッドの上で泣き続けた。


─────────────────────────────────


 次の日になっても、雪姫は部屋に引
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ