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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-2 『ようやく気付いた、真実<ほんとう>の気持ち』
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 <25話-2>


 映画館を出た二人は、まず喫茶店に入って。
予想よりずっと面白かった映画について、ひとしきり語り合った。
といっても、雪姫は結果的に二度も見た形なのに、
二回とも後半からはまともに見ていなかったので、計佑にあらすじを教えてもらったりして。

「やっぱり、最後までいい映画だったんだね。……じゃあDVDが出たら、また一緒に観てくれないかな……?」

 そんな雪姫のおねだりに、計佑が逆らえる筈もなく頷いたり。

 それからファンシーショップへ向かって、雪姫とアリスへのプレゼント選び。
計佑としては、本命である雪姫の物は後回しにして、先にアリスへの物を選んでしまおうと考えていたのだけれど、

「最初は私の! 絶対わたしのっ!! とにかく私のっっ!! じゃなきゃダメなのっっっ!!!」

 雪姫が全力で主張してきて、その必死さに微妙に引いたりしつつも、
特に逆らう理由もないので望む通りにしてあげて。
……もっとも、
『先輩って、好きな食べ物は最初に食べる派?
にしても順番なんかに拘ったりして、やっぱ意外とコドモっぽいなぁ』
などと考えていたりする少年は、『初めてに拘る乙女心』などカケラも理解できない、
相変わらずのズレっぷりと鈍感ぶりだったり。

 バイトでしっかり稼いだ事もあって、雪姫の部屋にあるどれよりも大きい
クマを贈ろうと考えていた計佑だったが、雪姫が希望したのは50〜60センチ程度の大きさの物で。
「せっかくだから、もっと大きい物でも」と計佑が提案するも、
「いいのっ、これ以上大きいと持って帰れないもんっ」と子供みたいな笑顔で雪姫が答えて。
「え? 宅配にすればいいじゃないですか」と疑問を投げかければ、

「……ヤだ。絶対、自分の手で持って帰りたいんだもん……」

 選んだくまモンを抱きかかえて、口元をぬいぐるみの後頭部で隠しながらの上目遣い。
飛び抜けた美少女による、普通の男なら悶絶するだろうこの仕草、
しかし日本でもトップクラスであろう朴念仁は、
『……そりゃこのサイズなら持って帰れなくはないだろうけど……荷物になるだけなのになぁ』
などと首を傾げて、
『好きな人からのプレゼントなのに、他の人に運ばれたりしたくない』
という乙女心を、やっぱり、さっぱり理解出来ずにいたり。

 その後、アリスの分を選ぶ段になって、

「アリスって、背伸びしたがるっていうか、やたら大人に憧れてたでしょ?
だからそういうアクセサリーとかどうかなーって思って。
ただまあアイツはあんな容姿だから、あんまり浮かないような、
ちょっとだけ大人っぽいモノとか贈ってやろうと思ったんですけど──」

──でもオレにはそんなのを選ぶセンスなんてないし、選ぶのは先輩にお願いし
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