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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-2 『ようやく気付いた、真実<ほんとう>の気持ち』
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くても、何度も繰り返してきたセリフは勝手に口をついた。
けれどその瞬間、硝子が顔を歪めると。

「……その思考放棄が元凶なんだって……! もうわかってるでしょう!?」

 押し殺したような声と共に、こちらの肩を突いてきた。
決して耐えられない強さではない、細腕に押されただけの事だったのに、何故か踏ん張れず蹌踉めいて。
背後にあったドアに、背中をぶつけて。

──もう真っ直ぐ立てる気がしなくて、そのまま寄りかかり続けた。

「白井先輩といる時でも、まくらの事が気になったりしなかった!?
私が先輩との事内緒にしておくって言った時、
『誰であっても言わないで欲しい』って言ってたけど、1番知られて困る相手はまくらじゃなかった!?
先輩に告白されて一ヶ月以上経つのに、いつまでも答えが出せないのは本当に鈍いせいだけだった!?」

 矢継ぎ早に畳み掛けられて。ようやく……ゆるゆると、考え始めた。

──雪姫と一緒にいる時でも、まくらが気になった事は確かにあった。
  ……霊状態のまくらが心配だっただけだと思っていたけれど。

──添い寝を見られた、次の日の朝の事か。
  ……確かに、あの時1番知られたくなかった相手はまくらだった気がする。
  ……そうだ。島で療養所に入る直前、まくらが何やらアドバイスをしてきた時。
  あの時の自分は、昨夜の雪姫との一幕をまくらに知られるのはまずいと──確かに考えていた。

──いくら何でも答えを出すのが遅すぎると言われれば、それは確かにその通りだとは思う。
でも、雪姫の気持ちをちゃんと理解出来るまでにだって、自分の場合は時間がかかってしまったし、
それがわかってからだって、合宿だ、バイトだと忙しくて、ゆっくり考える時間はあまりなかった。
……けれど。
それが1番の理由だと思っていたけれど、それでも。
雪姫への気持ちにいつまでも確信が持てなかった理由は、本当にそれだけだったのだろうか……?

 一度気になり始めたら、連鎖的に思い出されていく事はまだまだあった。

──まくらに雪姫との "事故" の数々を知られて、嫌われたと思った時。
  ……雪姫と一緒にいても、まるで気持ちは上向かなかった。

──まくらに雪姫の事をからかわれたりした時。やたらと居た堪れなかった。
  ……あれは本当に、家族からのそれが恥ずかしかっただけだろうか。

──まくらに好きな男がいたと知った時。
  あの異常なまでに燃え盛った嫉妬の炎は。
  ……本当に、妹分に対するものだけだっただろうか……?

「……もう一度聞くよ? 目覚くんにとってまくらは、本当にただの妹みたいなものだった?」

 硝子が、今度は静かに問いかけてきた。
その顔には、色々な感情が混ざり合ってい
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