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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-2 『ようやく気付いた、真実<ほんとう>の気持ち』
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の父親よりも、由希子よりも自分こそが1番知っていると自負していたから──
まくらが寂しさから逃れようとする考えを誰にも否定はさせないと、そんな風に思う計佑にとっては。
硝子の声に、僅かとは言え責めるような響きが含まれていた事が、
その事のほうがまくらの計算高い言葉よりよほど腹立たしかった。

『……そんなの……でもっ。
目覚くんなら、ちょっとくらい気まずくなっても、絶対まくらのこと見捨てたりしないでしょうっ!?
目覚くんはっ、鈍い所はあっても度量は広い人だもの……!』
『ええー……? うーん、どうかなぁ? 最近の計佑、ちょっと微妙な気もするんだよねぇ……』

──凹んだ。
……まあ、最近の自分の色々を顧みれば、認められる筈もない事はわかっているつもりだったけれど。

『そっ……それは!! それはそうかもしれないけどっ、でも!!
あの人の犯罪的な鈍さを考えてみてよ!?
目覚くんならっ、一時的に気まずくなったとしても、
どうせその内綺麗に忘れて、のほほんとした態度をとるようになるに決まってるよ!!』

──ますます凹んだ。
……硝子はこれで、本当にフォローしてくれているつもりなのだろうか。
 確かに自分は激鈍だとは思うけれど、
まくらがそんな気持ちだったと知ってまでのほほんとなんて、いくら何でも出来ないと思うのだけれど──

『……え、ええ〜……? し、硝子ちゃんもキッツいね……いくら計佑でもそこまでなんて……なんて……
……んんん? ……言われてみれば、確かにそんな気もしてきたかも……?』

──一瞬は否定してくれようとしていた筈のまくらまで、結局は同意。
今度こそ、完全に項垂れて。
つい、ジトリと硝子を見上げてしまった。

……その視線で、今どの辺りの会話を聞いているのか察したのだろう。
硝子は『あっ……』と小さい声を出すと、気まずそうに視線を逸らした。

──けれど、まくらと硝子の会話はまだ続くようだ。
仕方なく、どこか納得いかないながらも意識をそちらに戻す。

『……ていうかさ……どうして硝子ちゃんはそこまで拘るのかな?」
『えっ……!?』
『私が計佑の事をどう思ってようと──』

──そこで、まくらが息を呑むような音を挟んで。

『……ねえ、硝子ちゃん? もしか──』

──またも言葉が途切れた。

……といっても、今度のはまくらが言葉を切ったというよりも、
録音そのものがいきなり止められたかのような不自然な感じだった。
 まさかこれで終わりなのだろうかと硝子に目をやったが、硝子は相変わらず気まずそうに視線を逸らしたままで。
はっきり尋ねようかとした瞬間、

『確かにわたしは、計佑のコトがずっと大好きだったよ』

──完全に不意打ち
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