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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-2 『ようやく気付いた、真実<ほんとう>の気持ち』
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覚くんに話すよ。……ああ、
"どうせ計佑ならそんな話信じるワケないよ"
なんてタカはくくらないでね? 私なら、どんな朴念仁にだってちゃんと理解させてあげられるから。
だから安心して──』
『──絶対やめてよね……』

──ゾクリとした。聞き慣れた筈のまくらの声だったのに。
ここまで冷たいまくらの声なんて、数回聞いたことがあるかどうか……

『……許さないよ……たとえ硝子ちゃんだろうと、そんな話を計佑にしたら絶対許さないからッ……!!』
『……ごめんなさい、まくら。本当にごめんなさい……』

──まくらの鬼気迫る声に、硝子はいつもの声に戻るとすぐに謝って。

……この時の硝子は、色々な意味で──まくらを挑発するような真似をした事、この会話を録音していた事、
つまりは結局計佑に話すつもりだった事などを──まくらに謝っていたのだと、随分後になってから気が付いた。

『……ねえまくら。どうしてなの? どうしてそこまで……
目覚くんに話せないっていうのなら、せめて私にだけでも教えて。
私には、この期に及んでまで隠し通したいって気持ちはよくわからないの』

──硝子がそんな風に尋ねると、まくらがふうっと溜息をついて。

『……そんなの。気まずくなるに決まってるからだよ』
『どうして? どの道、引っ越しちゃうんでしょう? だったら気まずくなるも何もないじゃない。
ダメ元で、気持ち伝えたって──』
『──硝子ちゃんはさ。誰か大事な人を突然なくしちゃったコトってある?』
『……え……?』
『私のお母さんはさ。病気で弱っていたけど、最期は突然の事故だった』
『……あ……』
『……同じように、お父さんも逝ったりしないなんて保証はどこにもない。そして──』

──まくらが、一旦言葉を切った。

『万が一そんな事になった時。私が家族って呼べる人は、もう計佑たちしかいないの。つまり──』
『保険、って事……? 
今はお父さんの方についていくけれど、万が一の事態になった時の家族を残しておく為に……
その為に、気まずくなるなんて事態は、避けておきたいって事なの……?』
『さっすが硝子ちゃん、理解がはや〜い!!
……そうだよ。こんな黒い話、ドン引きだよね?
……でもね、これが硝子ちゃんが知りたがった私の本音なの。
私は、一人で寂しく生きていくなんてコトだけは、絶対耐えられないんだ』
『……そんな……』

──なんて黒い。天真爛漫に見せている癖に、本当はそんな計算高い事を。
──他人から見たら、そんな風に思うかもしれないまくらの考え。

……けれど、計佑にはむしろまくららしい気がしていた。

 まくらが、誰よりも孤独を嫌う事をよく知っていたから。
その点だけは、まくら
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