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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-2 『ようやく気付いた、真実<ほんとう>の気持ち』
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家族としてすら見てもらえなくなるんじゃないかって、そんな風に不安になるのは当たり前だと思う……」
──なんだそれは。そんなもの、結局は須々野さんの想像だろう。証拠でもあるのか──
そんな風に否定の言葉が脳裏を駆けたけれど、やっぱり口には何も出せなかった。
そうやって黙りこんでいる自分がどんな顔をしていたのかはわからなかったが、
硝子はしばらくの間、こちらの顔をじっと観察するように見つめてきて。やがて、
「……うん、一応は凝り固まってた先入観は揺らいでくれたみたいだね……
固いままのところにいきなりこれを聴かせるのは、流石に厳しすぎるかなって思ったんだ」
そんな言葉を口にしながらケータイを取り出すと、何やら操作をしてから計佑へと手渡してきた。
「聞いてみて、目覚くん」
「……え……何を……」
「まくらが引っ越す前に、私と電話で話した時の音声だよ。
……こんな事をして、まくらにはもう許してもらえないかもしれないけれど。
録音しておいたんだ……」
液晶画面を確認すれば、あとは『再生』待ちの状態。
……それでも、受け取った後、何も行動を起こせなかった。
だって、ここまでの流れから考えれば、聞かされる会話がどんなものかなんて──
どんな鈍感な人間だろうと、想像出来ない筈はなくて。ただ呆け続けていたら、
「目覚くん。知りたいって言ったのは目覚くんだよ。
……それにこのままじゃあ、ずっとまくらの苦しさの理由はわからないままじゃあないの?」
『まくらを苦しめたまま──』……その言葉には、急所を突かれた気がした。
「…………」
無言のまま、のろのろとした動きでケータイを耳に当て、再生を始める──
─────────────────────────────────
『──ねえまくら、本当にこのまま何も言わずに引越しちゃっていいの?』
『え……何の話、硝子ちゃん?』
『まくらの、目覚くんへの気持ちに決まってるじゃない……!!』
──予想していた筈の話だったのに、ドクンと心臓が強く震えた。
『んー? 私の計佑への気持ちって?
……ああ、"今までお兄ちゃんとして色々とありがとう" とか、そいうコト?
……改めてそういうの伝えるとか、照れくさいんだけどナ〜……』
『……まくら……!! わかってるんでしょう!?』
『え? チョット何言ってるかワカンナイですね』
──まくらが、あるお笑い芸人の口真似をしてとぼけた瞬間、硝子の怒気が大きく膨れ上がったような気がした。
『……そう、わかった』
──やはり、気のせいではなかった。硝子のその声は、時折計佑に向けて発する時のような低い声へと変わっていた。
『だったら、私から目
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