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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-2 『ようやく気付いた、真実<ほんとう>の気持ち』
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いけど、でも間に合うとしたら、合宿から帰った日がリミットだったのに」
「……それは」
「──ごめん、わかってる。
あの日の目覚くん、普通じゃなかったもんね……電話越しでもはっきりわかるくらい。
何言っても怒鳴りつけても、生返事すらろくになかったもの……
体調の事だったんならどうしようもないって、わかってるんだけど。
……でも。どうしてあんなタイミングで、って思うと……やっぱり……」
硝子が唇を噛み締めて俯いて。
それに関しては計佑とて全くの同感ではあったけれど、何も言えなかった。
しばらくの間お互いに無言で過ごして、ようやくまた計佑が口を開く。
「……須々野さんなら、わかってるんでしょ? まくらが何で苦しんでるのか、って」
「…………」
無言で視線をそらすその仕草は、肯定を意味していた。
「合宿の時にもこんな話したよね。この話題も……やっぱり、まくらを怒らせちゃうとか?」
「…………」
貫かれる無言。──つまり、また肯定。
「……そっか。じゃあやっぱり聞くわけにはいかないね」
自分の不始末で、硝子に迷惑をかける訳にはいかない。
諦めて、もう帰ろうと椅子を後ろに引いた所で、
「──待って、目覚くん」
硝子が俯いていた顔を上げて、こちらをまっすぐに見つめてきていた。
「目覚くんは。……知りたいって、本当にそう思ってるんだよね?」
「……そりゃあ……知りたいけど、でも──」
──『でも、須々野さんに迷惑かける訳には』
そう続けようとしたところで、硝子が首を左右に振った。
「ううん、いいの。
……だって、本当は私だって目覚くんにはちゃんと知ってほしいんだもの。
……そう、ちゃんと知って、 なんで目覚くんも今苦しいのか、
その本当の理由を……自覚してくれなきゃ、むしろ許せない気もしてるから」
そう言い切った瞬間、硝子の眼光が鋭くなった気がした。
けれど、この時は計佑も怯んだりはせずに。
「うん……わかった」
居住まいを正した。そして、
「結論から言うと、まくらは目覚くんの事が好きだったの」
硝子のその言葉に、
「……は?」
間の抜けた声しか返せなかった。
「……ん? ああいや、そりゃまあ長いコト上手く家族やれてたし、
それはわかってるつもりだけど。でもそれが──」
「とぼけないで、目覚くん。そういう意味の『好き』じゃない事くらい、わかってるでしょう?」
繰り返されて、そして硝子の言いたい事を理解して、──その瞬間、失望した。
「……またそれかよ……」
溜息が出た。
こちらは縋る思いで尋ねたのに。
なんでそんな馬鹿げた答えを返すのかと呆れて、今度こそガタンと
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