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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-2 『ようやく気付いた、真実<ほんとう>の気持ち』
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てるというのなら、尚更話をしないと。
──何も話が出来ない状態では、いつまで経っても状況は変わらないじゃないか。

 そんな風に言いたいことはあったけれど、
まくらの保護者からも拒絶されるという事態に、もう上手く言葉も紡げなかった。

『……すまないね、計佑君。そういうワケだから──』
「ま! 待ってください!!」

 電話を切られそうな雰囲気に、どうにか金縛りが解けた。

「な、なんでまくらはそこまでオレにキレてるんですか!?
オレ、そこまで何かやっちゃってたんですか!?」

 動揺したまま、縋るように尋ねていた。

──後で落ち着いて考えてみれば、硝子や由希子や、
他にも回答を教えてくれそうな人間はいたのだけれど、
この時は動揺していた事もあって、まくらの父から聞き出せなければもう終わりのような気がしていた。

『……いや、その……計佑君が悪いワケじゃあないんだよ。
親としては、確かに腹立たしい部分もあるんだけど、でも同じ男としては……責められないというか……
……うん、やっぱりどちらが悪いという話じゃないんだよ。
ただ強いて言えば、まくらと計佑君、どちらにも責任はあるとは言えるのかもしれないけどね……』

 隆がそんな風に諭してきたけれど、まるで理解出来なかった。だから、

「お願いですっ、おじさん!! 一度だけ、一度でもいいから、ちゃんとまくらと話をさせてくださいっ」

 もう一度そんな風に縋ってみせたのだけれど、

『……本当にすまないね、計佑君。とにかく、しばらくの間はそっとしておいて欲しいんだ。
……電話がある度に、まくらが震えるんだよ。……流石に、もう見ていられないんだよ』
「……そ……んな……」

 自分の行動のせいで、まくらが苦しんでいる。

──そんな話を聞かされては、もうこの少年では我は通せなかった。

『……こういう問題は、時間が1番の特効薬なんだよ。
いつかは、ちゃんとまくらも落ち着けると思うから、とにかくしばらくは我慢してほしい、計佑君』

 多分、それが向こうの最後の言葉だった。
気がついたら、受話器からはツー、ツー、という音が聞こえてきていて。

 いつ電話が切られたのかには、全く気が付かなかった。


─────────────────────────────────

 実力テストが終わって、教師からの採点・返却も済んで。
一段落した計佑たちは、今日から天文部の活動を再開する事にした。

──といっても、今部室にいるのは計佑と硝子だけだ。
雪姫は委員会活動で、
茂武市は『こないだナンパしたコから連絡が来た! というワケで今日はパス!!』と、
アリスは一応顔を出したのだけれど、硝子が未だに怖いらしく、早
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