第二十三話 明るい日常その七
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「楽しい場所だぜ」
「楽しいのね」
「相当にな」
「じゃあ本当に楽しみにしておくわね」
向日葵は邪気のない笑顔で薊に答えた。
「神奈川行く時」
「何処もいい場所だからさ」
「お寺多いのは鎌倉よね」
「ああ、あそこ確かに多いよ」
「歴史のある街だから」
「そうそう、鎌倉幕府があってさ」
その時から鎌倉ははじまっている、神奈川の中でも歴史ある場所の一つとして非常に知られている街である。
「大仏さんもあるんだよ」
「奈良みたいに」
「まあ奈良の大仏程大きくないけれどさ」
それでも、というのだ。
「あるよ」
「そうよね」
「そういえば奈良の大仏さんってな」
薊はその奈良の大仏の話もした。
「あれだけ大きいからさ」
「どうしたの?」
「いや、立って暴れたりしたら凄いことになるよな」
「それこそ怪獣映画になるわよ」
「だよな、あの大仏さんは」
「物凄く大きいから」
世界屈指の巨大さだ、その大きさだけでも世界的に有名な仏像である。
「大魔神みたいになるわよ」
「ドラクエの方の」
「そうそう、あんな感じでね」
大魔神と言っても色々だ、映画の方は埴輪の様な古代の鎧を着たものだがゲームの方はそうなるのだ。
「自衛隊でも手がつけられないわ」
「大き過ぎて」
「そう、あそこは他にも一杯あって」
大仏以外にも、というのだ。
「お寺とか神社で有名な場所が沢山あるのよ」
「鹿もいるよな」
奈良といえばだ。
「あの動物も」
「鹿は春日大社よ」
春日大社の神の使いとされているのだ。
「一杯いるから」
「奈良のあちこちにか」
「公園のところとか特にね」
奈良近鉄の駅前のすぐのあの公園である、奈良公園と呼ぶ人が多い。
「多いけれど春日山とかにも」
「一杯いるのね」
「奈良市のあちこちにいるから」
鹿達がだ。
「それで大きな顔してるのよ」
「大きな顔って」
「鹿ってね」
裕香は顔を曇らせて向日葵にも他の娘達にも話した。
「奈良じゃあまり好かれてないのよ」
「そうなの?」
「ええ、奈良県民であの鹿達を好きな人いないから」
「奈良のマスコットでしょ」
「マスコットでもよ」
それでもだというのだ。
「あの鹿達は好かれてないのよ」
「どうしてなの?」
「態度が大きくて悪戯好きでしかもやられたらやり返してくるからよ」
この三つが揃っているからだというのだ。
「何でも食べるし」
「何でもなの」
「そう、人のお弁当とかおやつ取るのよ」
実際に油断しているとそうなる。
「鹿せんべいも油断してたら強引に食べてくるし」
「そうなの」
「食べるものは一杯あってもね」
少なくとも食べるものに困るということは有り得ない、どの鹿も毛並みがよく尚且つ丸々と
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