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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
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たんだよ」

 そんな風に、母へと訴えて。

「なんだい? くーちゃんからは、どんな風に話をされたんだい?」
 
 由希子が水を向けてきて、

「だってさ……あいつ、俺達との生活を『疲れた』なんて言ったんだぜ……?
あんまりじゃないかよ。オフクロにだって、あんだけ懐いてたクセしてさぁ……?」

 こればかりは、絶対に母にも同意を得られるはずだ──そう信じて、少年が問いかけた。けれど、

「……疲れた? くーちゃんがそう言ったのかい?」

 由希子は目をパチクリとさせるばかりで、計佑の望んだような反応は返ってこなかった。

「そうだよ、間違いなく!
……いや、一応後で詫びてはきたけどさ……それでも、あの時のアイツ、多分本気で言ってた。
そんなの、オフクロだってムカつくだろ!?」
 
 母だって、自分のこの怒りにきっと同調してくれると思っていたのに。
芳しくない反応に納得できず、語気を強めてもう一度訴えたけれど、

「……は〜……なるほどねぇ……まあそういう可能性も考えちゃいたけど、本当にそうだったんだねぇ……」

 由希子は何やら一人でうんうんと頷き始めて。結局、計佑の望んだ反応はないままだった。
……けれど、計佑にとって、もうそんな事はどうでもよくなっていた。

「……え? お、オフクロ、まくらが何考えてるのかわかるのかっ!?」

 まくらの、自分への不満は一応わかったつもりだったけれど、
それでも『疲れた』なんて言い出した理由は、さっぱりわかる気がしなかった。
 もしそれを母がわかるというなら、是非とも知りたいところで。
身を乗り出して、母の顔を至近距離から覗きこんだが、

「……ん〜……」

 由希子は何やら難しい顔をして、唸るばかりだった。

「ちょっ、おい! 何だよ、焦らすような──」
「──まあ、ちょっと落ち着きなさいって。
気持ちはわからないでもないけど、アンタさっきから落ち着きなさ過ぎだよ。
とりあえず、ホラ、お茶でも飲みな」

 肩を押しやられて、渋々椅子に腰を戻すと、由希子が湯飲みにお茶を注いで差し出してきた。
──言われてみると、確かにまくらとの話し合いからこっち、声を荒げる事が多くて。喉の渇きを、そこで自覚した。
素直に手にとって、一気に喉へと流し込んで、

「好きなコが出来たんだろ、計佑」
「ぶーーーーーーーっっっ!!!」

 母からの予想外の一言に、息子が派手にお茶を吹き出した。

「がはっ……ごほっ、ごふごふっ!!」
「うわ〜……またキレイにハマったわね〜、しかし。……まるで、松田優作みたいな噴水っぷりだったわよ?」

 どうやら計佑の反応は予想していたらしい……というより、
むしろ狙っての一連の言動だ
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