暁 〜小説投稿サイト〜
白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
[8/26]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
言ってたし、まさかまだ話してないとはアタシも思ってなかったんだよ」
計佑の正面に座っている由希子は、のんびりとお茶を飲んでみせていた。
あの後、自宅へと戻った計佑だったが、当然の事ながら怒りはまるで収まっていなかった。
やり場のない怒りを持て余して、そこでキッチンにいた母を見つけて──ここぞとばかりに、母へとその憤りをぶつけていたのだった。
「そのコトもそうだけどっ……
そもそも、なんでオフクロはそんなにあっさりしてるんだっ?
どうして、オフクロは引き止めようとかしないんだよ!」
「ちょっとちょっと。ムチャ言うんじゃないよ。
隆さんが望んで、くーちゃんも望んでるコトに、なんで他人のアタシが口出し出来るって言うんだい?」
計佑の詰問に、由希子が苦笑してそんな風に尋ね返してくるが、
そんな母の言葉は、計佑にはまるで納得できないものだった。
──どこが他人だというのか。由希子だって、まくらの事は娘のように可愛がっていたじゃないか。
──それなのに、ずっとほったらかしにしていた父親についていくなんて話を、何故そんなにあっさり受け入れているのか。
まだ子供の計佑には、そんな風にしか思えなかった。だから、
「おじさんが望んでる? そんな話あるかよ。そりゃまくらの方はずっと慕ってたけど、
それなのに、まくらのコトなんてずっとほったらかしにしてた人じゃないかよ」
そんな言葉を口にしてしまって、
「……バカ言うんじゃないよ、計佑。それ以上言ったら本気で張り倒すよ」
母親の鋭い眼光に、少年がぐっと息を呑んだ。
「……隆さんはね。くーちゃんのコトだけを支えに生きてるような人なんだよ。
同じ親であるアタシには断言出来る。
あの人以上にくーちゃんを愛している人は、この世界のドコにもいないんだよ」
──妻を亡くした時の、隆の荒れ様は本当に酷かった。
それでも、どうにか持ち直したのはまくらの存在があったからだ。
今では、まくらの事だけを頼りに日々の激務を耐えているような人から、
娘の存在を取り上げるなんて非道な真似は、同じ親としてやれる筈もない事だった。
そんな風に考えていた由希子からの叱責だったけれど、
「……なんだよそれ。オレには全然信じられねーし、わかんねえよ……」
まくらを失ってしまう事に、どうしても納得できない計佑が俯いたまま呟いて、
「そりゃ16歳のアンタで理解られちゃあ、むしろ怖いけどね」
由希子が釣り上げていた目尻を下ろして、苦笑してみせた。
そうして、母の怒気が緩んだ事でどうにか顔を上げられた計佑が、
「……まあ、おじさんの事はオレにはわからないけど。
……でも、まくらのあの言い様だって……あんまりだっ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ