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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
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に、計佑の手が重ねられている光景を目にして。涙を溢れさせている瞳が、大きく見開いた。

「先輩……どっか痛いとかじゃないんですね?
何でここから動きたくないのか、オレにはわからないけど……
でも、先輩が落ち着けるまで、オレだって絶対、先輩のコト一人にしたりしませんからね」

 あの日の夜、ずっと自分を抱きしめ続けてくれた人へ、
今度はこちらが恩を返す番だと、少年が力強い瞳で雪姫を見つめていた。
 そんな風に身を乗り出してきている少年の顔を見つめて、もう一度自分の両手を見下ろして、
力強くこちらの両の拳を握りしめてきている、少年の両手を見て──雪姫がまた、大粒の涙を零した。

──……計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!!

 何度も自分を救ってくれて、幸せな気持ちにしてくれた、自分にとって特別な──計佑の手。
 さっきは避けられてしまったその手が、今自分の手を力強く握ってきている事に、
先程までとは正反対の理由での涙が零れて、それが心から嵐を流し去っていった。

「……な、なんで……っ」

 一言だけ口にして、握りこんでいた拳を開いて、手を裏返して。
計佑の手を、こちらからも握り直した──強く強く、自分の精一杯の力で。

「……ど、どうしてっ、さっきはっ、わ、私の手を払いのけたのぉ……っ?」

─────────────────────────────────

 しゃくりあげながらの雪姫の質問に、計佑は一瞬きょとんとしてしまった。

「……え? ……それって、映画の途中でのコト、ですか?」

 確認すると、雪姫がコクンと頷いて。

「……えっ!? いやっ、一応謝ったんですけど……あ、やっぱり聞こえてなかったですかっ?
す、すみません……でも、そんなちょっと手を避けたくらいで──」

──そこまで泣き崩れるなんて、いくら打たれ弱い先輩でも、あんまりでしょう──

 なんて言葉は、流石に続けられなかった。

……けれど、途中まで口にしてしまった言葉、そして恐らく顔にも出していたであろう感情で、
雪姫には十分伝わってしまっていたようで。
 ようやく涙を止めた雪姫が、むうっと上目遣いで睨んできた。

「な、なによぉ……っ。ど、どうせ私は泣き虫ですよぉ……!
でもっ、仕方ないじゃないっ。昨夜、イヤな夢見て。すごく、すっごくヤな夢だったんだもんっ。
あ、あんな夢さえ見てなかったら、私だってっ、こんなんでここまで泣いたりなんてしないもん……っ!!」
「……夢……?」

 チリっと脳裏にノイズが走った気がした。
それが引っかかって、違和感にしばし呆けていたら、

「……なに、ぼうっとしてるの……?
……い、今は、ちゃんと私のコト見ててくれな
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