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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
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ロールも最後まで見る──」

 そして雪姫に話しかけて、驚いた──雪姫が、ポロポロと泣きだしていたから。

──ええ……!? 途中は感動的なトコあったけど、
  ラストの方は、そんな泣くような感じではなかったんじゃ……?

 まあ、感動するポイントなんて人それぞれで違うものだろうし。
 男である計佑ですら魅入ってしまった恋愛映画だ、
雪姫からしたら最高に感動してしまったという事なのだろうと、
もう声をかけようとはせずに、エンドロールを眺める事にして。

 やがてそれも終わり、場内に明かりが戻ると、改めて雪姫へと振り向いて、

──えっ……!! ま、まだ泣いてる!?

 まだ涙を零し続けている姿に、意表をつかれた。

……けれど、明かりが戻った状態ではっきりと目にする雪姫の姿は、
感動で泣いているというより、悲しみなどの負の感情に泣き濡れているようだった。

「せ、先輩……!? どうしたんですかっ。どっか痛むとか、苦しいとかあるんですかっ?」

 映画は、暖かい感動を与えてくれる話だった。
だとしたら、今雪姫が苦しんでいるのは体調からくるものだろうと心配して、

「立てますかっ!? なんだったらオレ、先輩のコト背負いますから。だからとりあえず、ここを出て──」
「や、やだあっ!! ……こ、ここを出たら……出たらぁ……!!」

 かけようとした言葉は、涙声で遮られてしまった。
 ブルブルと強く首を左右に振る雪姫が、両膝の上でぎゅうっと拳を握りこんで。身体も縮こまらせて、
『絶対にここから動かない!!』
 と全身で主張してきていた。

──せ、先輩……一体どうしちゃったんですか……!?

 二人の立場を入れ替えての、合宿二日目深夜の再現のようになっていた。

─────────────────────────────────

 計佑に、手を払いのけられてしまってから。
その後の雪姫は、昨夜同様に──映画なんて、全く意識に入ってこなかった。
 やがて、エンドロールも終わってしまって、もう場内から自分たち以外誰もいなくなっても、
立ち上がる事も出来ずに泣き続けていた。

──だ、だって、ここを出たら……!!

 喫茶店に行こう、買い物に行こう、レストランに行こう──そういくら誘っても、
少年は応じてくれずに……絶対に聞きたくない言葉を繰り出してくる。

──もはや雪姫にとって、昨夜の夢は "絶対の予知夢" としか思えなくなっていて。
そんな風に、半日ほど前に『体感したばかりの出来事』を思い出して、
椅子の上で身体を縮こまらせていたら、……両手に触れてくるものがあった。

「…………?」

 きつく閉じていた瞼を薄く開いて、自分の手を見下ろして、
──そこ
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