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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
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見つからなくて。

──そんな……そろそろ……!

 夢の通りなら、主役の二人が手だけで気持ちを交わし合う──雪姫を絶望の底へと突き落とした──シーンがやってくる。

──だ、大丈夫だよ……映画は同じでも、違うコトだって、いくつもあったもの……!!

──夢での計佑は、今日みたいに痩せてなどいなかった。
──映画の前に、ガツガツと食事する事だってなかった。
──夢では憂い顔だったけれど、今日の計佑はずっと笑顔だった。

 だから、大丈夫だと……信じて。

 やっぱりただの夢だったと笑い飛ばす為に、そっと手を伸ばして。

 そして、計佑の手に重ねて────夢以上の勢いで避けられた。

「────────」

 目を見開いて、凍りついて。

……そして、雪姫の思考は真っ白になった。

─────────────────────────────────

──へぇ〜……! 正直期待してなかったけど、これは……

 計佑は、静かな環境で落ち着いて星を見るのが好きな性分だ。
だから、ドカンバカンと煩いアクション映画よりは、
ドラマ映画の方が好みではあるのだけれど、流石に恋愛物はどうだろうかという懸念があった。
けれど、いざ見始めてみると、いつしかすっかりと映画に引きこまれていた。

──始まりは、小学時代からだった。
 ヒロインは、耳を悪くしていて。
耳を悪くするのとほぼ同時だった転校先で、そんなハンデに負けないようにと頑張るのだが、
それは空回りに終わってしまい、いつしか虐められるようになってしまう。
 もう一人の主人公である少年が中心になって、徹底的に虐めが繰り返されるのだが、
やがて校長が出張ってくる程の問題になり、スケープゴートとして主人公一人が責められて。
 そして、彼もまた虐められるようになっていくのだが、虐められる側のつらさを知っても尚、
少年はヒロインに同情したりはしなかった。
 それどころか派手にケンカをしてみせたりしている内に、やがてヒロインは転校していって、
後に、ヒロインの強さと優しさを知る一件を経て、ついに少年は涙して。
 それから、少年はヒロインとの再会を誓って。
 数年後、少年にとっては運良く、二人の高校は同じになっていた。
ようやく果たせた再会に、少年は覚えてみせた手話を披露して、そして二人の新しい関係が始まる──

 前半は、そんな粗筋だった。

『虐める側のリーダーだったクセに、後でヒロインと恋仲になるとかムシがよすぎるんじゃないか?』

 最初はそんな感想を抱いていた計佑だったけれど、
高校で再会して以降の、少年が贖罪の為にと頑張る所はなかなかのもので、
いつしか少年を応援する気持ちになれていた。

 そして後半、成人した
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