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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
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「──いやああああ!!!!」
認められなくて、目を見開いて叫んで、──目の前が暗がりだと気付いた。
「……んぅ〜? おねえちゃん、うるさいよぅ……」
隣から、寝ぼけた様子の声が聞こえて。首を回すと、そこにはアリスが眠っていて。
自分もまた、横になっている事に気付いた。そこでようやく、今のが夢だった事も理解出来た。
……けれど、
──……ゆめ……本当に……今のが夢……!?
未だに、心臓がドクドクと悲鳴を上げていた。
あまりに鮮明な……正に現実としか思えないほど存在感のある夢は、生まれて初めてだった。
たった今まで、あの場にいたとしか思えなくて。
今この瞬間こそが夢だと言われたらそう納得出来てしまいそうで、どちらが現実なのかと戸惑うくらいだった。
震える手を伸ばして、こちらの方へと横向きになって眠っている、アリスの頬へと触れてみた。……暖かい。
「……えへへ……」
むにゃむにゃと微笑を浮かべたアリスが、こちらの手へと頬ずりをしてくる。
その和む光景を目にしても、暖かさを感じていても、悪寒は取れずに全身が震えていた。
──なんで……なんで、こんな日に、こんな変な夢なんて……
今日は特別な日になるのに。
きっと最高の一日になる筈なのに、それを否定するかのような……まるで予知夢のような内容で。
何もかもが普通の夢とは違っていて、ただの夢だと笑い飛ばせなかった。その不吉さに、改めて震えて。
縋りつくように、目の前で眠るアリスへときゅうっと抱きついた。
──それでも夢、夢だったんだから……!!
思い込むように、何度も心の中で夢だと繰り返して。
さっさと忘れようと、もう一度眠ってしまおうと、ぎゅうっときつく瞼を閉じて。
やがて、再び眠りに落ちる直前、
──……話があるって言ってたけど、本当に私が望んでたような話なのかな……
そんな考えも浮かんできて──少女は不安に包まれたまま、眠りについたのだった。
─────────────────────────────────
計佑が、待ち合わ場所である映画館のロビーに着くと、既にもう到着していた雪姫を見つける事ができた。
計佑とて約束の時間より随分早く来たつもりだったが、
それでも雪姫を待たせてしまっていた事実に慌てて駆け寄っている最中、雪姫もまた計佑を認めて。
「よかったっ、計佑くん、ちゃんと来てくれた……!!」
パァッと顔を輝かせて、随分と大げさに雪姫が喜んでいた。
……そう言えば、自分の存在に気づく前の雪姫は、何やら不安そうな様子だった気がする。
──いや、約束してて来ないワケないのに……先輩、なんか他に心配事
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