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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
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カにして! そんなんくらいで、本当に泣いたりなんてしません!!」

 またからかわれたと考えて、カッとなった雪姫だったけれど、
アリスのほうは呆れた様子でまた溜息をつくと、ケータイをとりだして見せて。

「……へぇ〜……あ、そうだ。
こないだの、おねーちゃんが例の壊れたおもちゃに色々話しかけてるトコ、
録画しといたヤツ。あれ、けーすけに送ってみてもいーい?」
「なっ!? ま、まだ消してなかったの!? いっいやあっ、絶対やめてっ!!?」

……計佑に会えない寂しさが募って、随分と恥ずかしい言動をクマちゃんに繰り出していた日の一件。
アレを動画でそのまま計佑に見られるなんて、いつぞやのお休みキスを知られた時以上に恥ずかしい……!!

 絶対に阻止しなければと、慌ててアリスに駆け寄ろうとして、するとアリスは素早くケータイをしまってみせた。

「……こんなんくらいで、もう涙目になるクセに。
そんなんで、よくもまあ強がれるもんだよね〜、おねえちゃんも……
私も大概強がりだと思うけど、それでも今のおねえちゃんよりはマシだと思うよ〜?」
「……くっ……うぅう……!!」

 小学生モドキにジト目で呆れられて、悔しさに唇を噛み締める。
……確かに、正直なところ。
今回のデートばかりは、もし邪魔されたりしたらアリスの言う通りになるだろうという、
情けない自信(?)もあって。だからもう、唸るしか出来なくなってしまった所で、

「う〜ん……これは言いたくなかったんだけど。
……でもコレ言わないと、おねえちゃん、もう信用してくれなさそうだね……」

 アリスが悄然と俯いた。やがて少しだけ顔を上げると、

「……あのね、もし邪魔したいと思ってても、明日からはそんなヒマなくて無理なんだよね……」

 どこかビクビクとしながら、そんな事を言ってくる。

「……え? どうして。何か予定でも入ってるの?」

 アリスが不安そうに自分を見つめてくるなんて久しぶりの事だ。
軽く驚きつつ尋ねると、アリスは人差し指をツンツンと突き合わせながら、

「……夏休みの宿題、全然やってなくて。もう遊んでるヒマなさそうなの……」

 怒られる事を覚悟した様子のお子様が、上目遣いでそんなセリフを口にしてきて、

「……全然やってない!?  嘘でしょっ、何やってたの!?
あれほど計画的に進めておきなさいって言っておいたのに!!」

──そしてお子様の予想通り、雪姫の雷が落ちた。
久々に威厳を取り戻した少女からの大喝に、アリスがひっと首をすくめて。

「とっ、とにかくそういうワケだからっ、明日ジャマしちゃうとか、そもそもムリなの。
だっだから、安心していーんだよっ?」

 ジリジリとアリスが後退りしていく
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