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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
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あっ、あっ、頭にきたのよ、すっごく!
それでっ、電話切ってすぐに、ベッドに投げつけちゃったのっ」

 今更後には引けず、そんな風に説明してみせる少女。……けれど、

「……ふ〜ん。それじゃあ、なんで今、服を引っ張りだそうとなんてしてるの? どっかにお出かけ?」
「あっ、えっ……そ、そうなの! 明日、突然仕事が入っちゃって。
今回は大事なお仕事だから、気合入れてっ、今のうちに服とか選んでおこうかなって……!」
「……へぇえ〜〜〜。おねえちゃんが、仕事にそんな前向きなのって初めて見るけどねぇ〜〜〜……??」

 アリスが完全にジト目になって。雪姫はダラダラと脂汗を流し始めて。
 
……やがて、アリスが大きくため息をついた。

「……おねえちゃん、いくらなんでもウソ下手すぎ〜……
ほんと、けーすけのコトになるとダメダメになっちゃうよね〜。
そんなに心配しなくても、デートの邪魔なんかしないよ〜?」
「なっ……!? え!? やっ、違っ……」

 恐れていた通りあっさり見ぬかれてしまって、慌てる雪姫だったけれど。
アリスの反応は、雪姫の予想とはまるで違っていた。

「ホントのホントに邪魔なんてしないし、イジメたりもしないから。安心してってば〜」

 苦笑しながらそんな事を言ってくる。

「……え……? ほ、ホントに……? で、でもだって……」

 計佑絡みでは、散々──本当に散々、徹底的にからかい続けてきていたのに。
……そんな不信感が拭いきれなくて、

──……そうだよ! まだ安心なんて出来ない!!

 今までだって、コロリと態度をひっくり返したりしてみせたりで、こちらを翻弄し続けてきた相手なのだ。
今回のこれだって、こちらが信用して安心した瞬間、きっと裏切ってみせるのだ。

──……そう、例えば。
私にはこんなコトを言っておいて、裏では計佑くんに連絡をとったりして。
私にはナイショで、いきなり待ち合わせ場所に現れるとか狙ってたりするんだ……!

 そんな疑念の元に、高3少女は『う〜〜〜っ!』と唸って小学生モドキを睨みつけて。
睨まれた相手がズサっと後ずさりした。

「ぜ、全然信じてくれない……!? こ、これはオオカミ少年状態……っ」

 愕然としていたアリスだったが、やがてコホンと空咳をつくと。

「……ほ、本当に今回は何もしないから。だってさ〜……?」
「……だって、なに……?」

 上目遣いで伺ってくるアリスに、ジト目少女が先を促すと、

「今回ばっかりはさすがに、ねえ? 久しぶりに会えるんでしょー?
最近のおねーちゃんの様子を思えば、
今回ジャマしちゃったりすると、なんかも〜、おねえちゃん本気で泣きだしそうなんだもーん」
「んな!? ……ば、バ
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