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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
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出した。
普段だったらDVDなどで済ませてしまうところだけれど、今回は映画館まで足を運ぶことにしよう。
……まあ、あまり男の子が見るようなタイプの映画ではないのだけれど、それはこの際無視だ。

『貰い物のチケットが余ってるんだけど、カリナはじっと映画を見るとか耐えられない性分なんだよね。
……計佑くん、付き合って!』

 そんな風に頼み込んだら、優しい計佑だったらきっと付き合ってくれる。……と思いたい。
……けれど、恋愛物の映画なんて知ったら、流石にイヤがられそうな気もする。

『他の友達とか、まくらとかと行ったほうが……』

……そんな風に、逃げられそうな気もする。

──……ええい、いつまでも悩んでたって仕方ない!!

 嫌がられるようだったら、計佑が好きそうな映画でも構わないのだ。肝心なのは、計佑と会う事なのだから。
そう意を決して、メールを打つ。

……結局、やはり電話ではなくメールを選んだ。

 理由は、

──久しぶりに聞く計佑くんの声なのに、『まだ忙しい』とか『あまり映画は……』
  みたいな拒絶、されたら怖いもん……

……そんな、相変わらずの打たれ弱さの虫が顔を出したからだった。
 果たしてどんな返事が帰ってくるかと、ビクビク、ドキドキしていたら、すぐに返信があった。慌てて確認する。

──先輩さえ良かったら、明日にでも。
──映画が終わったら、先輩へのプレゼント、一緒に買いに行きませんか?
──先輩に聞いて欲しい話もあるんです。

 そんな内容が含まれたメールには、

──うっ、うわぁああ〜〜〜!!
──ホ、ホントにっ!? うっ、嬉しいっ!!
──こっ、こっ、これはもしかしてっ……!!??

 雪姫を三重に喜ばせる点があった。

 1つ目、明日には計佑に逢える。
もう夏休みも残りは少ない。確かに付き合ってもらえるとしたらここ数日の間しかなかったのだけれど、
断られる可能性にビクビクともしていただけに、予想以上の早い実現が本当に嬉しかった。
 2つ目、計佑からのプレゼントが貰える。
計佑が初めて白井家を訪れた日に、約束してくれた事。
その後のアリスとのドタバタで、もう有耶無耶になってしまったかとも思っていたのに、
ちゃんと計佑は覚えていてくれた。
 3つ目、そしてこれが──1番大きく、雪姫の心臓に嬉しい悲鳴を上げさせた。

──あ、改めてお話とかっ……そ、それってもしかしてっ、と、とうとう……!?

 デートをオッケーしてくれて、
プレゼントも贈ってくれると言ってくれて、
そして最後には、改めて話がある……とくれば。

 恋する乙女が妄想するその答えは、一つしかなかった。

──うわ〜〜〜〜!! うわあああああ!!

 
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