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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
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 計佑が由希子と話をしていた頃。

「ああぁ〜〜……もう10日以上、計佑くんに会えてないよぉ〜〜……」

 自室のベッドにうつ伏せで寝転がった雪姫が、足をバタつかせながらぼやいていた。

「う〜〜っ……う〜〜っ……声すら聞けなくなって、それだってもう一週間以上……」

 ゴロゴロとベッドの上で転がる。

「もう……いいよね? 昨日までガマンすれば、もう十分だよね?」

 誰にともなく尋ねて、ケータイを手にとって。
──昨日は、まだバイトが終わった次の日で、きっとまだ疲れているだろうからと、どうにか自制した。
 けれど、もう一晩明けてみると、いよいよ我慢の限界だった。

 計佑が、危なっかしい様子で合宿から帰って行った日。
 心配で、何度かメールを打ったりしていたのだけれど、
計佑からの返信は「はい」か「いいえ」の一言しかないような簡素なものばかりで。
不安になって、まくらにも連絡をとったけれど、

「ごめんなさい、家には確かに送り届けたんですけど……今日は私も忙しくて、
もう計佑ん家には寄ってる時間なさそうなんです。でもさっき偶然おばちゃんと外で会ったんですけど、
計佑、部屋でじっと大人しくしてるだけだって言うから、そんなに心配しないで大丈夫だと思います」

 貰えた答えは、そんなもので。
 悶々として一日を過ごして、次の日の朝になって、ようやくまともな──いつも通りの──
計佑からのメールが届いて。ようやく安心出来たのだった。

……けれど、そこから雪姫にとってのつらい時間は始まった。
 計佑たち一年は、夏休みの後半には夏期講習がない。
それで、天文部の次回の活動は二学期に入ってからにしようという事になっていて。
 そうして出来た時間を利用して、計佑はバイトを始めてしまって。
最初の一日二日は連絡をとっていたのだけれど、計佑が疲れきっている事は電話越しでもはっきりと理解できた。
 そうなっては、流石に雪姫とてワガママは言えない。
まくらを通じて、ちょくちょく計佑の様子は伺っていたけれど、やっぱり、そんなものでは寂しさは埋めきれなくて。

──とうとう今、限界を迎えた少女が、少年へと連絡をとろうとしていたのだった。

「う〜……ん……計佑くんの声、聞きたいよぉ……でもまずはメールからがいいかなぁ……」

 連絡をとる事は決めたけれど、どういう風に切り出そうか──ケータイを弄びながら、悩み始める。

──何の用もなく、ただ会いたいっていうのはちょっとあれだよね……何か口実ないかな……

 しばらく考えて、

──あ、そうだ! あの女優さんの映画……!!

 結構好きな女優が主演している映画が、今公開中だった事を思い
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