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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第25話-1 『冷め切ったまくら。雪姫との初めてのデート。「計佑くんの手……私の大好きな、計佑くんの手だ……!」』
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らがいつも通り目覚家で過ごしていたとしても、
昨日の自分には、まともに話をするなんて到底不可能だったのだけれど。
──うーん……早いとこちゃんと話すべきなんだろうけど、今もあんまり時間ないしな。
とりあえず、バイトから帰ってきて、かな。
そんな風に決めて、朝食をとり始める。
──そういや、昨日からホタルもいないんだよなぁ……
昨日は一日中、部屋でボーっとして過ごしていたのだけれど、結局一度もホタルは姿を見せなかった。
──まあ……早速、榮治さん探し再開したんだろうなぁ。
きっと元の姿に戻ったであろうホタル。
あのクールな目つきの彼女なら、今頃は恬淡としている事だろう。
それに、榮治探しの合間にも時折は顔を見せにはくる、とは旅先でも言っていたことだし。
──そう、永遠の別離を迎えたわけでも何でもない。
その内、また帰ってくる事もある筈だから。
だから、寂しがる事も、悲しむ必要もない。
ホタルとの、『最期の』別れを思い出せない少年は、そんな風に考えて。
……そうして、心の平穏を保っていたのだった。
─────────────────────────────────
それからの10日程の間、計佑は初めてのバイトに励んだのだが──
その予想を遥かに上回るハードさに、ぐったりと疲れきる毎日を過ごしていた。
短期集中のものだったので、休日が挟まれる事もなく、
あまりに疲れて食事もろくに喉を通らないような日々にまでなってしまって。
そんな状態だったから、両親は勿論、まくらともろくに会話をする事もなくて。
……結局、全てが手遅れだったと知ったのは──バイト終了の、翌々日だった。
「おふくろ、おかわり」
「あらっ、珍しい。ようやく、食欲戻ってきたのかい?」
計佑が差し出した茶碗に、由希子が安心したような笑みを浮かべた。
「まあなー……昨日は、まだキツかったけど。今朝になったら、やっと楽になってきてたよ」
バイトは一昨日で終わりだったが、昨日はまだ食欲も回復してくれなくて。
今朝目を覚ましてみて、ようやく身体が楽になってきた事を実感出来たところだった。
そうして、久しぶりに余裕を持って味わえる味覚にちょっとした幸せを感じていたのだけれど、
向かいに座る人物が漂わせる暗い雰囲気のせいで、その幸せに浸りきる事は出来なかった。
「……なあ、まくら。その……まだ落ち込んでるのか? 試合の事で……」
「……別に。そんな事もう気にしてないし、特に落ち込んでるつもりもないけど」
伺うように話しかけてみたが、まくらの反応はやっぱり芳しくなかった。
──ていうけど……明らかに元気ないんだよな、コイツ……
いくらなんでも、
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