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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第24話-2 『美月芳夏』
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─心を占める? まくら以下である事に不満がある? それってつまり嫉妬とかいう事? でもなんで嫉妬なんて?
次々と疑問が湧くが、答えにはさっぱり思い当たらない少年がぽかんとしていると、
ホタルが今度は、大きくため息をついた。
「これでわからんとは、逆に凄いぞ……お前の方こそ、もしかして鈍くなる呪いでもかけられてるのか?」
「うぐっ……や、やっぱりそんなにヒドいか、オレ……?」
もはやはっきり自覚もしてはいる欠点。
幾人もの人達から指摘されたそれだが、また追求してくる人が増えた事に改めて凹み、
今度は計佑のほうが大きくため息をついた。
「まあ、酷いは酷いんだが……お前の場合、それ故の長所にもなりえているから、
全面的に悪いとも言い切れんかもな」
「……鈍いのに、長所にも……?」
ピンと来なくて首を傾げたが、
「……ああ、だが。やはりいくらかは気をつけたほうがいいかもしれんな。
その調子だと、お前その内、あの須々野という娘にいいようにされてしまいそうだ」
「へ? な、なんだそれ?」
続くホタルの言葉は、もっと不可解だった。
「あの娘、結構捻れそうな気配がある……こじらせると、今の私のような気性になりかねない」
「捻れ……? お前のような……?」
「まあ20年も生きていない小娘だ、当分はそれほど面倒な事にはならんだろうが。
それでも、私より余程聡そうな娘だ。
……あの手合が覚悟を決めたら、天然のお前たちでは相当愉快な事になるだろうな」
「は、はあ……?」
くくっ、とホタルが意地の悪い笑い方をしてみせるが、計佑には最後までよく分からなかった。
もう少しわかりやすい解説を頼もうとしたが、ホタルにはもうその話をするつもりはないようだった。
計佑から視線を切ると、その身体をふわりと浮かび上がらせ、そして手足を伸ばして地に降り立つ。
計佑もまた立ち上がろうとして、
「ああ、そう言えば……お前との約束、破った事を話していなかったな」
「え? 約束?」
どこか遠くをぼんやりと見つめながらの、
とるに足りない話だと言わんばかりのホタルの口調に首を傾げながら立ち上がりきったところで、
「ヒトに悪戯するな、というやつだよ。ついさっき、あの女に仕込んでしまった」
「なっ……!?」
あの女──ホタルが敵視している相手と言えば、一人しか思い当たらない。
一瞬でカッときて、ホタルにつかみかかった。
「おいっ、何だよそれ!! 先輩のことか? 先輩に一体何したんだ!!」
「……別に大した事じゃない。せいぜい、悪夢の一つでも見る程度の──」
「程度なんて聞いてない!! なんでお前、いつもいつも先輩にだけそうやって……!!」
冷めた目で見上げてくる
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