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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第23話-2 『合宿初日の夜・硝子の策とアリス無双。「だって! 結局、私がアリスに勝てるトコなんてこれしかないんだもの!」』
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<23話-2>


 計佑達がバス停についても、硝子の姿はなく。
そして、バスが来る時間になっても硝子は現れず。
多分今は顔を合わせたくないのだろうと、諦めてバスに乗って。
 学校に戻って、夕方になって、アリスや茂武市が合流して──その頃になって、ようやく硝子は戻ってきた。
といっても、硝子は明らかに計佑の事を避けていた。
 雪姫に対しては、昼間の事は戻ってきて早々謝ってきたそうなのだけれど、
計佑に対しては、そんな事は一切なく。
 計佑の方から硝子に話しかけようとしても、
常に茂武市かアリスといるか、すぐに逃げ出すかで、深い話を出来る状況には決してしてくれなかった。
 そして日が完全に暮れて、
夕食を終えても未だ話をさせてくれない硝子に、ついに痺れを切らした少年がとった手段は──

──……なんかちょっとストーカーぽくてアレだけど……もうこんなんしかないじゃん……

……シャワー棟の出口前での、お風呂上りを待ち伏せする事だった。

──いやいや、一応ボディーガード的な意味もあるにはあるし!!

 夜とはいえ、学校の敷地内でそんな必要があるかは微妙だったけれど。
とにかく、計佑は今、シャワー棟そばのベンチに腰掛けて、硝子が出てくるのを待ち受けていた。と──

 ガチャリとドアの開く音がして、一人の少女が姿を見せた。計佑は慌てて立ち上がって、

──……え……誰……?

 一瞬、誰だかわからなかった。

──……あっ!? すっ須々野さんなのか!?

 髪を解いていて、メガネもつけていない硝子は、普段の印象とはまるで違っていて。
いつもよりずっと大人びて見える雰囲気と、なんだか凛々しさを感じさせる顔つきにしばらく見とれてしまった。
 そして、硝子もまた入り口を出てすぐのところで、計佑のほうを見つめたまま立ち尽くしていたのだけれど──
やがて、警戒するように身を竦めるとこちらを睨んできた。

「……目覚くんじゃ、ない、の……?」
「えっ、あっ!? そ、そう、オレだよ、目覚だよ!!」
「……なんだ、やっぱり目覚くんか……じっと黙ってるから、まさか違う人なのかと思った……」

 計佑がようやく口を開くと、硝子がほうっと溜息をついて、肩の力を抜くのが見て取れた。

──あ、そっか……メガネかけてないから、オレだってわかんなかったのか……

 謝りに来たのに、出だしからまたミスしてしまった。

「ご、ごめん……ホント俺気が利かなくて……待ちぶせみたいなコトしといて、
それなのに声もかけずに怯えさせたりして……」
「……ううん。こういうこともあるんじゃないかな、とは予想してたから……
私も、覚悟は決めて出てきたんだ……」

 計佑の謝罪に、硝子が俯いて答えて。メガネを
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