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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第23話-1 『合宿初日・ソフトボール観戦「……目覚くんは、絶対後悔するから……!」』
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聞いてもいい事だったら、何で落ち込んでたのか話してみて?」
「いえっ、それはちょっと……」
苦笑しながらだったが、それはしっかり拒絶されてしまった。
──う……やっぱり私じゃダメなのかな……
ちょっと調子に乗ってしまったかと反省もしたけれど、
それ以上に、結局は拒絶されてしまった事のほうがショックだった。
けれど、上辺は笑顔を取り繕って、慌てて謝る。
「あっそうだよね!? なんかごめんね、ちょっと踏み込みすぎて──」
「──自己嫌悪って、一体何を考えていたの」
──けれど、その謝罪の言葉は、割り込んできた硝子に遮られた。
「何って……だから、それは……っ!?」
計佑が、少し先で佇んでいた硝子へと顔を向けながら答えて。途中で息を呑んだ。
雪姫もまた硝子へと視線を移して、計佑の反応の理由がわかった。
硝子の目はグッと釣り上がっていて、部活の時などに見せる半分おふざけのモノではない、
その本気で怒っている様子に、雪姫もまた息を呑んだ。
二人が黙っている間に、また硝子が口を開く。
「まさか、『まくらがあんなにスゴイなんて知らなかった。
兄貴面して、上から目線で偉そうにしてた自分がカッコ悪すぎて恥ずかしい』
みたいな事を考えていたんじゃないでしょうね」
「……っ!!」
硝子の言葉に、計佑が驚いた顔をして。それで雪姫にも、硝子の指摘が図星だと分かった。
「……はは。相変わらずスゴイね須々野さんは……
オレみたいなバカの考えるコトくらい、簡単にわかっちゃうんだね」
自嘲するかのように計佑が苦笑して。けれど硝子は容赦しなかった。
「……ホントにそんな理由なんだ……その癖、そんな風にヘラヘラ笑ってみせたりして。
確かに、随分とみっともない話よね」
その言い草に、流石に計佑がムッとした顔つきになった。
──しょ、硝子ちゃんどうしちゃったの……!?
確かに計佑の思考は、褒められた物ではなかったかもしれない。
けれど、悩み、落ち込んでいる人間にこんな言い方をするなんて。
それじゃあ相手は意固地になるか、腹を立てるかしてしまう。
そんな事に、硝子が気付いていない筈はないのに。
試合終了直後の、一瞬の計佑たちのやり取りに気付いていない雪姫には、硝子の怒りがまるで理解できなかった。
「妹の活躍を僻むような器の小ささで、よく今まで兄貴気取りでいられたわよね」
そして、雪姫が狼狽えている間にも、まだ硝子の攻撃は続いていた。
「そもそも、兄妹兄妹言うけれど、血もつながってない他人でしょう。
なのにいつもそう言いはって……本当は、そう思ってるのは目覚くんだけかもしれないのに──」
「──いい加減にしろよ」
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