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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第23話-1 『合宿初日・ソフトボール観戦「……目覚くんは、絶対後悔するから……!」』
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…そのつもりだったんだけど……ちょっと気になるコトがあるんで、
もしかしたら帰ってくる事あるかも。……まあ、一応は帰ってくる予定はないってことで」
「りょーかい、あんたも気をつけるんだよ」

「あいよー」と由希子に手を上げ、部屋に向かった。
荷物を取ってくる為と、──たった今、由希子に言った "気になるコト" のために。

─────────────────────────────────

「……おーいホタル、調子はどうだ……?」

 部屋に戻った計佑が、まずやった事は──ホタルの心配だった。
ベッドに寝転がったままのホタルの元へ行き、顔を覗き込む。

「……あ。ケイスケ……おはよう……」
「いや、挨拶はさっきもしたぞ……? 本当に大丈夫なのか……?」

 しゃがみこんで、ホタルの額に手を当ててみる。──平熱だった。
……まあ幽霊に平熱というのもおかしな話だったが、触れた感触はいつも通りではあった。
ぼんやりとしたままのホタルを、より近づいて覗きこむ。

「幽霊に病気とかあんのか……? 昨夜までは元気だったのに、一体どうしちゃったんだよ……」

──由希子に語った『気になるコト』……それは、ホタルのこの状態についてだった。

『ホントは、別にスイミンは必要ないんだー。起きていようと思えば、いつまででも起きていられるんだよー』

 以前にそんな事を言っていて、
実際いつもは計佑より早く目を覚まし、元気一杯に計佑を起こしてくれていたのだが。
 今朝に限っては、なかなか目を覚まさず、なんだか様子がおかしいのだった。

──……合宿、行くのやめたほうがいいのかな……
  とは言っても、ホタルにつきっきりでいてもオレに何が出来るかって話なんだけど……

 そんな事まで考え始めていると、ホタルがようやく、ゆっくりと身体を起こしてきた。
そして両足を伸ばしたまま座り込んでいたホタルだが、やがて両手を握ったり開いたりし始めた。
その目は、まだ半分閉じたままで。
 そんなホタルの顔を、ベッドに両肘を置いたまま見上げていた計佑が、
いよいよ不安になってまた声をかけようとした瞬間、ホタルが計佑の顔を見下ろしてきた。
そして、指を上に向けてピンと伸ばした右の掌を、計佑の顔のやや横辺りにつきだしてくる。

──……? 何を──

『バァン!!!! 』
疑問に思った瞬間に、突然の後ろからの爆音。慌てて振り向いた。と──
部屋の隅に積んであった、某週刊少年漫画雑誌の束が吹き飛んでいた──比喩ではなく、本当に木っ端微塵に。

──……え、な……

 あんぐりと口を開けた計佑の視界を埋め尽くす、舞い散る紙切れの吹雪。
思考が真っ白になった少年の耳に、ホタルのいつも通りの舌っ足らずな声が届い
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