二話「記憶」
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だろうか?
「……!」
俺は、自分の掌を見つめると恐怖感に包まれて、頭を抱えて苦しみだした。
「お、俺は……!」
俺は……俺は……殺人犯だというのか?女性を次々と殺して行った化け物なのか?
頭を抱え込んで苦しむ俺にさらなる追い打ちが来た。
それは、頭の中から映し出される幾つものフラッシュバックだ。見知らぬ女性の死に顔が俺の頭へ次々飛び込んできた。
「ッ……!?」
俺は勢いに身を任せ、ここから逃げ去るかのように玄関の扉へと手を伸ばし、部屋を飛び出してしまった。
感情の高まりを必死に抑えつつ、俺は我武者羅に走り出す。だが、目の前の角から横に出て来た相手とぶつかって、俺はともかく、相手は尻もちをついてこけてしまった。
「いてて……おいコラ!どこみて走ってんだオッサン!!」
相手は口調の悪い女子高生だった。ツインテールに生意気な顔をした。だが、彼女は暫く俺を睨むと、目を丸くして俺に近寄った。
「うそ……!?」
少女は俺の顔をじろじろと宥めると、こう呟く。
「…明也?」
「……!?」
またその名前か、俺はその名を聞いて感情的になると両手で少女の両肩を抑えて問い詰める。
「お前……俺の事を知っているのか!?」
「な、何だよ!離せ!この野郎!!」
「答えろ!」
「わ、わかったから離せよ!?」
「……!」
ジタバタ暴れるし、この状況を見られると、俺の方に非があるように思われるため、とりあえず彼女の肩を離した。
「……お前は、俺を知っているのか?」
「いてて〜……まぁ、あたしの知っている人に似ているだけだっつうの」
「俺に似ている?」
もしや、その人物が俺だとしたら……その人物の事に付いて彼女に尋ねた。
「そいつは、今どこに……?」
「……死んじまったよ」
少女は、そう暗い表情で答えた。気の病む事を言ってしまったようで、俺は詫びる。
「す、すまない……」
「別に?で、オッサン誰だよ?」
「オッサンじゃない……シンだ」
「シン?変な名前だな」
「俺でもあまり気に入っていない……」
「じゃあ、河南子がシンオッサンの名前つけてやんよ?」
そうニヤけるなり、この河南子と言う少女は俺にへんちくりんな名前を口に出してくる。いうなれば、ふざけている。
「シンだから……新太郎なんてどう?」
「違和感がある……」
「じゃあ、新三郎でいいじゃん♪」
「それも違う……」
「うぅんと〜……新五郎はどうっスか?」
「いい加減「シン」を頭に付けるのを止めろ……」
「じゃあ、シンオッサンはどういうのが良いんだコラ」
腕を組んでイラ付く河南子に俺も、腕を組んで考えた。どういう名か、それが暫く浮かんでこなかった。唯一、許せる名前はコレしかない……
「……朋也」
「はっ…?」
「……朋也、だ」
彼女が口にしたその「朋
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