1.誠凛高校バスケ部
クロコ
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…と心配の顔を変えないまま、ぽつりと呟く。
そんな火神に黒子は苦笑し、火神の顔を見る。
「火神君が心配するほど悪くないですよ。明日には治ってますって」
「ならいいんだけどよ…」
火神はその言葉にすこし安心したのか、口角を緩ませ、黒子の顔を見る。
2人は微笑し、前を向いて学校を後にする。
火神に言いながらも、黒子は自分自身にも言い聞かせたのだった…。
「では、僕はこれで」
「おう。お大事にな」
火神といつも別れるT字路で黒子は火神に頭を下げる。
そうして、黒子はくるっと踵を返し足を進めた。
もうとっくに日は暮れて、街灯がなければ前が見えないだろうというくらい、暗くなってきているのだ。
「…日が落ちるの速いですね…季節が過ぎるのが早いです」
そう一人でぽつりと呟きながら一本道を進んでいくと、急にキリッ…と頭に痛みが走る。
気分の悪さは無いが、頭の痛みだけ体に響くのだ。
――1人なんですね。
頭の裏のほうで、そんな声が響き、聞こえてくる。
声が聞こえる度に痛む頭を抑え、電柱に寄りかかる。
歩くのすら困難なくらいの痛みが、黒子を襲っているからだ。
「…帰り道、なので。」
――それだけ?…君を心配してくれる人、いましたか?
「…火神君に、キャプテン。…カントクに、降旗君…。いますよ。」
――でもそれが、ホントかどうかは分からない??
最後のその言葉が頭の中にキン…と響いた。
ズキッ…と走る激痛と共に、黒子はしゃがみ込む。
手先から冷たくなり、自分の意識が遠いていく。周りの音はなにも聞こえなくなってきて、心臓が収縮し続けていような感覚に陥る…。
(…来ますか…)
黒子は、この症状が自分でなくなるということを分かっていた?―…。
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