1.誠凛高校バスケ部
クロコ
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黒子は2号と微妙にじゃれ合い、時間を潰したところで体育館に戻る。
何時間じゃれていたのか黒子自身も覚えていないが、もう片付けに入っていたのだ。
「あれ、もう片付けですか?」
体育館の左端小さく飾ってある時計を眺めながら、カントクに近寄り、そう声をかける。
カントクは顔を上げ、「あぁ、黒子君か。」と呟き、小さく頷いた。
「今日、体育館の年に一度の全清掃だから早めに終わらせてくれって言われたのよ」
「そうだったんですか。…そういえばちいさく学校だよりみたいなのに書いてありましたね…」
昨日もらった月間予定表の内容をうっすらと思いだした黒子は頷く。
黒子は「ありがとうございました」とカントクに頭を下げると、辺りを見渡した。
もうほとんど片づけは終わっているが、一応黒子自身も部員だ。
今日は見学だったとはいえ、部員なのだ。
倉庫のほうに回ると、せっせとボールを優しく拭いている降旗 光樹が目に入った。
「降旗君。僕も手伝います」
「え、いいよ。黒子今日気分悪いんだろ?」
降旗は苦笑いをしてそうやんわりと返す。
だが、黒子は引かなかった。
「気分もだいぶ良くなったので大丈夫です。それに、僕も一応部員ですから。何かやらないと気が済まないので」
「そ、そこまで言うなら…」
降旗も黒子の勢いに負けたのか、タオルを黒子に向かって投げ、場所を空けてくれる。
黒子は微笑すると、降旗の隣に座り、一緒にボールを拭き始めた。
黒子たちがボール拭きを一通り終えたところで、キャプテンから声がかかった。
「集合!」
部員が「はい!」と叫ぶのと同時に黒子も返事をする。
そして、集まった部員の前には、カントクとキャプテンの日向が立っている
「分かっていると思うが、明日は練習試合だ。練習試合だからと言って気ィ抜くんじゃねぇぞ!」
クラッチタイム並の怖さのオーラが出ているが、キャプテンの言葉をカントクが続けて言う。
「日向君の言った通りよ。相手は一応強豪。緊張して力が抜けたり力んだりするのはわかるけど、全力で行きなさい!」
この二人には、オブラートに包むという言葉が脳に無いのかと言いたくなるようなストレートな言葉で2人はスタメンにプレッシャーを与えた。(多分ベンチメンバーにもだろう…
部員たちは大きく返事をすると、キャプテンの「解散!」という声と主に、部室へと入っていく。
黒子は部室に入っていくメンバーを目で追いながら、ふうっと息をつく。
黒子自身練習着に着替えてなかったので、荷物を取りに体育館入り口の端に鞄を取りに行く。
そして鞄を持ち後ろを振り返ると、そこには着替え終わった火神がいた。
相変わらず心配そうな顔をしながら口を開く
「…マジバは…行かないよな」
「はい。気分はだいぶ良くなりましたが、どうなるか分からないので」
だよな
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