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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十八話 死者と真実
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家系にしか興味を示さず、櫻井の家系でしか扱うことが出来ない。じゃあそれを奪おうとするなら如何すればいいと思う?」
当然すぎる状況の変化に対応し切れていない螢は混乱の最中、突如動いたトバルカインをじっと見つめながらアルフレートの質問を聞き顔を向ける。
「どういう…こと?」
「君は聞いてばかりだね。自分で物事を考えようとは思わないのかい?聖遺物に干渉しようとする際、最も簡単な方法は聖遺物によって干渉することだ。分体が持っている聖遺物は実は形がはっきりと決まっているわけじゃない。
本来干渉できない聖遺物に干渉するために聖遺物を使う。カリグラの聖遺物はいうなれば聖遺物専用のハッキングツールとでも言うべき物かな?無論、持ち主の意志があれば干渉することなんて当然出来ないだろうけど彼は幸いなことに動くだけの死体だからね。病院で彼の雷《インドラ》を受けたときは流石に怒りがこみ上げていたものだけどそのときの反撃の際に折角仕掛けを施したのだから我慢したさ。その結果に彼の聖遺物の所有権はカリグラのものとなり、彼はその上でアレの呪いを聖遺物で押さえ込める」
それはつまる所、櫻井螢に対して櫻井戒の存在を奪うという行為に等しかった。彼女の望みが現時点で既に叶わないということを知った上でも許せる行為ではない。故に螢の行動は迅速ともいえた。
緋々色金を構え炎が散りばめる。絶望に打ちひしがれようとも諦めようとはしない。例えどれだけ、どれほど、誰であろうとも彼女は止まる気は無い。止める気は無い。時間は有限、アルフレートのいうカリグラによるトバルカインの支配が完了するまで。それでも彼女はそれを止めるために剣をアルフレートに構える。
笑みを浮かべるアルフレートは螢との戦いを前にして謳いあげるように言う。
「そう、君が認めたくないのなら立たねばならない。此処は戦場であり誰も泣き言なんか聞きはしない。意に沿わないなら捻じ伏せろ。気に入らないなら楯突いていけ。向かってくるなら牙を剥いて喰らいつけ。僕たちはこの国で言う、出る杭という奴なんだ。だからこそ打ってくるやつは殺してしまえばいいんだよ。だからこそ事実を認められないなら僕を斃して事実を変えて見せるがいい」
そう言った直後、螢は叫びながら彼に向かっていった。
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