暁 〜小説投稿サイト〜
Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第十八話 死者と真実
[3/6]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
ないだろうし…司狼が生きているとしたらそこに何か置いてあるはずだ」
そういって俺たちはボトムレスピットまで移動する。
******
―――昼・海浜公園――-
アルフレートは公園でじっと座っていた。ザミエルとマキナがテレジアを保護する以上、二人が教会に訪れるのは確実である。一度互いに矛を収めたとはいえ相対すればどちらからということも無く牙を向ける可能性は充分ありうる。そして、もう一度戦うことになれば間違いなくそれを止めるためにマキナは動くだろう。そうなれば消耗しているアルフレートに勝つ手段はなく殺されるのが落ちである。
(シュライバーの魂はヴィルヘルムと僕が喰い尽くしたから赤騎士も黒騎士もシュライバーが居なくなったことに気付いては居ないだろうけど、問題はライニはともかく二人が僕を白騎士として認めるかという点について。エレオノーレはライニが認めていると知れば手出しすることは無いだろうけど今の状況でそれを確認する術はない。それなら互いに相対しないようにするのが最善というわけだ)
目立たないようにするため魂の総量を偽装する術式を敷いており、ジーンズにジャケット、更には外人という外見的特徴を目立たなくするためにニット帽をかぶるという一般人のような偽装を施していた。そんな中、海浜公園のベンチで一人姿勢を崩しながら座っていたアルフレートの前に一人の女性が立っていた。
「わざわざ誰とも会わないようにするための配慮だったんだけどな―――」
「治癒速度が他者に比べて遅い以上、今夜までに回復するにはせめて少しでもましなとこで居る必要がある。となればその場所は自然に限られ既にスワスチカの開いた場所しかない。教会はもとより遊園地、病院、博物館は封鎖されている。面倒を嫌う貴方は必然的にそこは避ける。
そして、普段から目立つのを避けるアナタはいても不自然でないこの公園で休息を取りにくると聖餐杯猊下が初日に教えてくれた情報から推測しました。私の推測は何か間違っているでしょうか?
まあ、それ以前にそもそもそのニット帽以外に以前と同じ服を着ていれば誰でも気が付きます」
取りあえず笑みを浮かべることで肯定を示すが同時に惜しい、と彼は心の中で思う。彼女の推測は半分正解で半分はずれだ。消耗していたことも治癒速度が遅かったことは事実ではあるがそれが六つ開いた今の状態でも同じというわけではない。既に魂の総量のみならば大隊長を除く団員を上回っており、それに比例して治癒速度も上昇している。である以上、別に公園で休む必要性などないのだが彼は櫻井螢がここに来ることを知っているがゆえにここで待っていた。
「良く出来ました。念のため聞いておくけどトバルカインと君以外にはいないよね?」
「私が知覚できる限りでは。ですがそういったこと
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ