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駄目親父としっかり娘の珍道中
第63話 バナナは腐る寸前が美味い!
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両肩を抑えて震えだすはやてと、そんなはやての前に立ち新八を睨むヴィータ。

「見損なったと志村新八。貴様は誠の侍だと思っていたが、どうやら銀時と同じ変人の一種だったようだな」
「なのはに触れたりしたらその体を粉微塵にするからね。このロリコン!」

 トドメと言わんばかりにシグナムとフェイトの言葉の暴力が突き刺さる。哀れ、新八のか細いメンタルは麗しき美女達の容赦ない言葉の前に呆気なく折られてしまい、さながら敗北したボクサーの如く椅子の上でガックリと項垂れる事になってしまったのであった。





     ***




 その後も、続々となのはへの見舞いは訪れてきた。二日酔いから回復した真選組達とお妙が鉢合わせしてしまい、病院内で血で血を洗う惨劇があった事や、抹茶に砂糖とミルクを入れて飲み、またしても電波世界へとドリップしてしまったリンディと銀時の姿に皆のツッコミが浴びせられた事や、お登勢とキャサリンが見舞いの品を持ってやって来たは良いが銀時と鉢合わせしてしまい懐に隠し持っていた一升瓶で銀時の頭を殴った事など、多種多様なイベントがその日に起こった。
 退屈な入院生活の中で訪れた楽しく、そして賑やかな時間。そんな時間の中をなのははとても有意義に過ごすことが出来た。
 そんな大忙しな日から翌日、怪我も治り無事に退院する日がやってきた。
 世話になった看護師や婦長、それに共に入院していた患者達にお礼の言葉を述べ、なのはは病院を後にした。
 林博士の引き起こしたからくり騒動も既に粗方片付けられており、今ではすっかり元通りの江戸の風景を取り戻していたのがなのはの目から見て取れた。
 
「すぅ……はぁ〜」

 胸いっぱいに空気を吸い、そして盛大に吐き出す。やはり病院の外で吸う空気は美味い。心底そう思えたなのはは果たして一体幾つなのだろうか?
 そんな周りの疑いなど一切構う事なく、なのはは慣れ親しんだ道を進み帰路についた。
 江戸周辺は既に彼女の庭みたいな物だ。何処を歩いていても道に迷う事はない。万事屋の時には心臓部として、時には頭脳として、その能力を如何なく発揮している恩恵でもあった。
 近くでサイレンの音が響く。救急車の特有なサイレンの音だ。何処で鳴っているのだろう。気になり歩く速度を速めてみると、それは自宅前、つまりスナックお登勢の丁度真ん前であった。
 そして、その救急車の中に運ばれていくのは青ざめた顔をした銀時、新八、神楽の三名であった。

「……お父さん?」
「やれやれ、だから食うなって言ったのに」
「あ、お登勢さん。一体どうしたの? お父さん達に何があったの?」

 一切状況が呑み込めていないなのはは隣でたばこを吹かしているお登勢を見上げて尋ねた。その問いにお登勢は心底呆れた顔をしながらなの
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