第63話 バナナは腐る寸前が美味い!
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
にと見舞いの品を用意して待っていたは良かったのだが、あいにく訪れた際にはなのはは不在だったらしく、待っている間に小腹が空いてしまい、結局見舞いの品に手をつけてしまったようだ。
「それにしてもこんな真昼間にお見舞いだなんて。皆して暇なんだねぇ。青春はもうちょっと有意義に過ごさなきゃダメだよ」
「人生をたった9年程度しか生きてないクソガキの癖に諸行無常を説くんじゃねぇよ」
「まぁ、お父さんは年がら年中暇だけどさ」
「そろそろマジでしばき倒した方が良いかなこりゃ」
額に青筋を浮かべている銀時の事など気にせず、なのはは見舞いの品の中からバナナを取り出し、それを剥いて食べている。
「うん、これ新鮮なバナナだね。やっぱりバナナは全部真っ白な方が美味しいからね」
「あぁ? バナナは真っ黒になる寸前が美味いってさっき言ったじゃねぇか」
「いーーだ! バナナは真っ白の方が良いもん」
「あんだと? バナナは真っ黒の方が良いに決まってるだろうが!」
例え親子でも此処まで違いが出てしまうのはまた面白い所だったりする。
「相変わらず仲が良いんだか悪いんだか……」
「お〜いぱっつぁん。其処の籠ん中からスイカ出すヨロシ」
呆れ果てる新八に向かい、なのはのベットとは真向いのベットに腰を下ろしている神楽がそう新八に要求する。むろん、そんなどでかい奴がある筈もなく……
「いや、神楽ちゃん。良く考えてよ、そんなでかいの持ってこれる訳ないでしょ」
「んじゃ今すぐ買って来いよ。どうせスイカ買ってくる位しか役に立たない癖に」
「あんだとゴラァ!」
神楽の無理難題に激怒したのか新八が怒り狂う。むろん、そんな新八の怒りなど神楽の鉄拳の前では何処吹く風だったりするのだが。
「そう言えば、見舞いに来てくれたのって此処に居る人たちだけ? 他の人たちは?」
「あぁ、他の奴らなら昨日馬鹿騒ぎしまくったせいで未だに寝込んでる最中だよ」
どうやら他のメンバーは前回の宴会騒ぎの際に散々飲み過ぎたが為にほぼ全員二日酔いでダウンしてしまったようだ。
むろん、その中には此処に居ない他のメンバーも含まれており、同じ騎士であるザフィーラとシャマルに至っては慣れない酒の為か顔面蒼白したまま寝込んでしまっている有様だったりする。
「良いなぁ、私も一緒に騒ぎたかったなぁ。ねぇ、また皆で騒ごうよぉ」
「やなこった。こいつらと騒いでたら命がいくつあってもたりねぇよ」
かく言う銀時自身も相当昨日の酒が残っているようだが、其処は父親としての威厳を獲得する為に必至になって見舞いに来たようだ。
「む、剥けた! ……けど―――」
歓喜の声を挙げたフェイトだったが、彼女が持っていたリンゴは何故か実がすっかりなくなり、芯だけになって
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ