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駄目親父としっかり娘の珍道中
第63話 バナナは腐る寸前が美味い!
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看護婦達の姿が見て取れた。
 と言ってもその殆どが大人もしくはご老体ばかりだったためか話が合いそうな人種は見当たらない。
 看護婦とはたまに話すが大抵忙しいのであまりかまってはくれない。かと言って見ず知らずの患者と話すと言うのも少し抵抗があった。
 やはり病院は退屈極まりない所なようだ。早く退院して元通りの生活に戻りたいと、そう思っていた。
 
「だぁぁぁっはっはっはっ! 神様よぉ、俺の事が大っ嫌いなんだろう? 俺だってお前の事が大嫌いだよぉ!」

 ふと、窓際にて中年男性が涙を流しながら天に向かい大声で泣き叫ぶ姿があった。余りにも痛々しい光景だったが為に声を掛ける気にもなれなかった。見た感じ顔見知りな気がしたが、例え見知った顔だとしてもあんな痛い姿を前にして声を掛ける勇気は今のなのはにはなかった。

「部屋に戻った方が良いかな?」

 仕方なく部屋へ戻り怠惰な時間を謳歌しようと自分の部屋へと戻ることにした。部屋に近づくと何故か部屋の中が妙に騒がしい事に気づいた。誰かが見舞いに来たのだろうか?
 沸き立つ好奇心を胸に部屋の中をのぞく。其処に映った光景は余りにもお馴染みな光景であった。

「おい、このバナナ何処も黒くねぇじゃねぇか。バナナってのはなぁ、腐る寸前が一番美味いって言われてるんだぞ」
「無理言わないでくださいよ。そんなピンポイントな要求で買える訳ないでしょ。そもそも腐りかけのバナナなんて売ってませんよ」

 と、こんな感じで見舞いに持ってきたのであろう粗品の中にあったバナナに早速手をつける銀時と、そんな銀時の無理難題な要求にツッコミを入れる新八。その他にも色々な面子が見舞いに来てくれていたようだ。
 
「う、上手くリンゴが剥けない……」
「修行が足らんなぁ、私なんてこないにサクサク剥けるでぇ」

 方や見舞いのリンゴを綺麗に剥こうとして悪戦苦闘するフェイトと、簡単に剥いているはやての姿もあり、そのすぐ横では剥いたリンゴに次々とマヨネーズをデコレーション宜しくぶっ掛けていく烈火の騎士の姿までもがあった。

「おいシグナム。そんなの掛けたら食えないじゃねぇか」
「何を言うか! マヨネーズはどんな食材にでも合うリーサルウェポンだ。当然リンゴにも合うに決まっているだろうが!」
「そう思ってるのはお前だけだっての」

 どうやらマヨネーズ好きになったのは守護騎士達の中ではシグナムだけらしい。その証拠に同じ騎士でもあるヴィータには受けなかったようだ。

「皆、何してるの?」

 何時もの面子だったのだが、流石に皆好き勝手しているのでとりあえずこうして声を掛ける事にしたなのはであった。




     ***




 そんな訳で入院中のなのはの見舞いに参上した銀時達。そのついで
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