暖かなぬくもりを
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「う〜ん、不思議だね。いきなり飛ばされるなんて…」
「はい……」
どうやらここでもそういう事例は珍しいようだった。
「でも、大丈夫だよ。私の友達の家に移動できるようになってるからきちんと手続きをすれば帰れるからね」
フェイトさんが優しく教えてくれた。よかったぁ……どうやらちゃんと帰れるみたいだ。
「それじゃあ、手続きしてくるから少し待っててね」
「はい、ありがとうございます」
頭を下げると軽く手を振りながらフェイトさんは部屋を出ていった
カップを手に取り、また少し、紅茶を飲む……紅茶独特の香りが気持ちをリラックスさせてくれる。
一息ついて冷静に考えてみた。なんで僕がここに来たのか、僕が見ていたあの夢とこの場所と一体どんな関係があるのか。
それから、来てすぐに聞こえた……声。
正直わからないことだらけだ。でもひとまずは家に帰れる……けど実際家に無理して帰る必要も、本当はないんだけど。
「どうすればいいのかな……」
そんな僕の呟きは紅茶から出る湯気のように、空中を舞って消えた。
**
「いろいろとありがとうございます、フェイトさん」
「ううん、対したことはしてないよ」
帰る手続きが終わり、僕はフェイトさんとお別れの言葉を交わしていた。
「では、さようなら……また、ご縁があれば」
「うん、またね」
フェイトさんは最後の最後まで笑顔で見送ってくれた。その姿は僕にとって母親のような、姉のような感じがした。
そんな暖かいぬくもりを僕はきっと忘れないだろうと思いながら、この気持ちを噛み締めていた。
そして……ついに地球に帰還する時が来た。
だかしかし、頭の中で僕はなんとなく気づいていた。このまま終わるわけが無い……と。
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