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『自分:第1章』
『夏休み』
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過去に戻られへんねやから。
新しく何かを積み重ねることは出来ても、訂正は出来んよ?
過去は消えませんから。
屁理屈って言われるけど、実際そうやし。


施設に居る頃、母さんは何回か迎えに来たらしい。
その度に、職員は『あの男と手が切れたか』聞いてたらしい。
『我が子か、男か』選択肢を与えられ、毎度男を選ぶ。
何の為に隣の県迄来よんだか。
意味が解らんくて笑えた。
まさに交通費の無駄遣い。
金無いくせに何しよんだか。

そんなオンナ。
そんな母親...

娘を性的対象にする男を愛する母親...

狂っとる...
異常...

自分も異常やけど。
ヒトに異常やか言えんけど。
間違いなく母さんの娘や。
血筋やな。
間違いなくこの家系は狂っとる。

姉も、好きで母親の旦那とヤりまくる奴やし。
兄も、感情がおかしい。
皆が皆、欠陥品。


そんな事も全て、ユウは受け止めた。
醜く汚い過去も、ドロドロで闇だらけの内面も。

でも、受け止めざるを得んかったから?
受け止めたフリして目を逸らしてるのか?
本人しか知り得ん。


ユウには零那の気持ちなんか解る筈が無いから。
恵まれた普通の家庭。
普通が何よりも幸せってのを知らん。
愛溢れる両親にジジババ。
何不自由なく心も綺麗なまま生きてきた。
理解し合うなんか不可能。
こんな純粋な子が、こんな醜い心を解る筈が無い。
理屈じゃ無い。
生きてきた世界が違う。
それが、ほんの少し淋しいと思った。
解ってる。
解ってたよ、はじめから。
理解やかされんって。
普通の子には...


そっか...
龍も、たぶん...
こんな淋しい想いを抱えて生きてきた?
どれくらい独りで苦しんだ?
零那が龍を理解できると思った?
理解し合えると思った?
だから好意を抱いた?
それは、愛情ってゆう、単純で綺麗な想いじゃない。
シェルターみたいなもん。
それは...
愛情より厄介...
重い想い...


ユウは弟と仲良くゲームしながら飲んでる。
生粋のゲーム好き。
何日も徹夜で出来るレベル。
母さんが家に入ってきて一緒に飲む。
ユウは気を遣って色々話しかける。
そんな気は遣わんで良いって言ったのに、性格やな。

兄ちゃんが来た。
最悪。
初対面のユウをおちょくって遊んだ。
非常識で無礼にも程がある。
ドライブ行こうって山に向かう...

吐きそう。
酒に酔ってるワケじゃない。
運転技術の問題。


翌日は、ユウと弟と3人で釣りに行った。
キャッチボールもした。
いっぱい遊んだ。
あっという間に時間が過ぎた。

最終フェリーに一緒に乗って高松迄送った。
時間はせわし
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