第2話
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眉間を揉んでから目を開けると、画面の中にある作りかけの報告書を
ぼんやりと眺める。
(戦闘報告書を提出するついでに1佐と話すか・・・)
そしてゲオルグは姿勢を正して報告書の作成に取り掛かった。
1時間後。
戦闘報告書を書き終えたゲオルグは、シンクレアから受け取った部下たちの
戦闘詳報と一緒に持ってヨシオカの部屋に入った。
「昨日の戦闘報告書です。 お願いします」
自分の席に座るヨシオカはゲオルグから書類の束を受け取ると、パラパラと
一通りめくってからそれを脇に置いて仕事に戻ろうとした。
だが、ゲオルグが目の前に立ったままでいることに気がついて顔を上げた。
「まだ何かあるのか?」
「ええ。 ちょっとお話したいことがありまして」
ヨシオカは時計に目をやり時間に余裕があることを確認してから、
机の脇に置かれた1脚の椅子を指差して、ゲオルグに座るように促した。
ゲオルグは椅子を引いてきて座ると、自らの顔をじっと見るヨシオカと向き合った。
「で、話とは? まあ、八神に引き抜き工作を掛けられた件だろうが」
「はい、そうです。 俺自身としては回答を保留にしたんですけどね」
「ほう。 その理由は?」
ゲオルグが回答を留保したことを興味深く思ったヨシオカは、
ニヤリと笑って身を乗り出した。
「はやてが何か大事なことを隠しているような気がするんですよ。
それが何なのか判らないと気持ち悪くって・・・」
そう言ってゲオルグははやてと話した内容をヨシオカに向かって話し始めた。
「はやてが古代遺物管理部で部隊を作ろうとしてることは
以前から1佐に聞かされてましたけど、アイツはレリックの件を
追いかけるつもりらしいんですね。
ただ、アイツが集めようとしている戦力はあまりにも過大だと思って、
それでアイツには何か別に大きな目的があるんじゃないかと思うんですよね」
「なるほどね・・・」
ゲオルグの話を聞いていたヨシオカは、頬づえをついて自分の机の上に目をやった。
その視線の先にはゲオルグから受け取ったのとは別の報告書の束があった。
(そういえば八神は聖王教会との関係が深いんだったか・・・)
黙り込んだヨシオカの指が報告書の束の上で動き、紙束を叩く。
そのさまをじっと見ていたゲオルグはヨシオカの手の下にある報告書の題名を
読み取ろうと目を凝らしていた。
(何の報告書だ? 今話してることと関係あるのか?)
字が読み取れず近づこうと身を乗り出した時、ヨシオカの指の動きが止まり
その報告書を掴みあげると裏返しにして伏せて机の上に置いた。
「コイツはダメだ」
ハッとして顔を上げたゲオルグに向かって、ヨシオ
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