第2話
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「よう見とんね、さすがに」
自分の小さな仕草まで見逃さないゲオルグの眼力に感心したはやては、
呟くようにそう言うと、目を閉じて大きく息を吐いてからゲオルグの顔を
真剣な表情で見つめた。
「実は、私が追いかけようと思っとる事件にガジェットが絡んどるから
ゲオルグくんの口からその言葉が出てびっくりしたんよ」
「ガジェットドローンが絡んでるってことは、レリックだよな。
ああ、それで古代遺物管理部か」
「そういうこと。 ホンマにようご存知で」
自分の考えていることを次々と言い当てるゲオルグの言葉に対して
はやては呆れたように肩をすくめていた。
「はやての意図は判ったけど、それにしたって戦力は大きすぎじゃないか?
戦力保有制限を大きく超えて魔導師を所属させる以上、他の部隊からの目が
厳しくなるのは判ってるよな。
そこまでする目的が自分たちの部隊を作るっていう夢の実現だけ
なんてことないだろ?」
ゲオルグのやや冷たい感じさえも与えるような口調での言葉に対し、
はやては不思議そうに首を傾げた。
「昔話したやろ? 事件の捜査を機動的にやれるようにすることで
犯罪被害者を減らしたいんやって。 覚えてへんのかいな?」
「それは覚えてるよ。 でもなぁ・・・」
はやての答えに納得しきれないゲオルグであったが、一旦口をつぐむと
腕組みをして考え込み始めた。
(これ以上つついても話してくれそうにないな・・・)
ゲオルグは自らを納得させるように何度か小さく頷くと、顔を上げた。
「まあ、いい。 いずれにせよ今ここで答えられないのは判ってるよな。
上司とも相談しないといけないし、ほかにもいろいろ考えたいことがある」
「ヨシオカ1佐はゲオルグくんの好きにしたらええって言っとったで?」
はやてがヨシオカの意思を伝えると、ゲオルグは驚きで目を見開いた。
「えっ!? そうなのか? まあ、それでもすぐには決められないから、
答えはまた後日な」
「まあ、しゃあないわな」
はやてはそう言って小さくため息をつくと、右腕の時計に目をやった。
時刻は11時30分、そろそろ昼時である。
「なあ、ゲオルグくん。 よかったらランチでも一緒にどうや?」
「悪い。 片付けないといけない仕事があるから今日はちょっと・・・」
済まなそうな顔をして謝るゲオルグに向かって、はやては手を振った。
「ええって。 ほんならまたね」
「ああ、また」
そうして2人は部屋を出ると、通路を逆方向に向かって歩き出した。
はやてと別れたあと、ゲオルグは自分の席に戻った。
情報部諜報課の工作班長である彼の席は諜報課の大部屋の中、
入
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