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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第2話
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オルグを見て、はやては肩をすくめる。

「しゃあないやんか、そうでもせんと保有制限を満足できひんねんから。
 それにBランクやったらまだ優秀なほうやで、全体からすれば」

「それはそうかもしれないけどな、お前みたいな遠距離型ならともかく
 俺みたいに動きまわってナンボの近距離型の魔導師にとってはキツイんだよ」

苦笑して話すはやてに対して、ゲオルグは不満げに口をとがらせて
はやてと自分の戦闘スタイルの差が能力リミッタによって受ける影響に
違いをもたらしていることを主張した。
だが、さほど強く言うつもりもないのかすぐに不満げな表情を引っ込めた。

「へぇ、フェイトちゃんも似たようなこと言っとったけど、そうなんや。なんで?」

ゲオルグの話に興味を持ったはやては、身を乗り出して尋ねた。

「たぶん、俺とフェイトでは理由がちょっと違うと思うぞ。
 フェイトの場合は単純に飛行魔法の出力が落ちるからだろうけど、
 俺は身体能力を底上げしてる魔法の出力が落ちるからだ。
 まあ、どっちにしろ身体が重くなったような感じになるのは変わらないけどな」

「ははぁん、なるほどね」

顎を撫でながら何かを思い返すようにしつつ答えるゲオルグに対して、
はやては納得顔で頷いた。 だが、すぐに不思議そうに首を傾げた。

「ところで、なんでそんなこと知ってんの?
 私の知る限り情報部は戦力保有制限に引っ掛かってなかったと思うんやけど?」

はやてにとっては戦力保有制限に掛っていない部署に所属していながら
能力リミッターの経験があるようなゲオルグの物言いが引っかかったようである。

「戦闘訓練の一環で使ったんだよ。 ほら、少し前からガジェットドローンとかいう
 魔導機械が出没してるだろ。 あれが使うAMFの影響を模擬するためにな」

その経験があまりいい思い出だとは思っていなかったゲオルグは、
渋い表情で語った。
はやてはゲオルグの話に出てきたガジェットという言葉にピクリと反応したが、
すぐに穏やかな表情を浮かべて納得したというように頷いてみせた。

だがゲオルグははやてが見せた一瞬の反応を見逃しはしなかった。

(今、"ガジェットドローン"に反応したよな・・・。なんだ?
 新部隊の目的にガジェットドローンが絡んでるのか?)

ゲオルグがはやての顔をじっと見つめると、ゲオルグの様子を不審に思った
はやてが首を傾げた。

「どないしたん?」

「ああ、いや。 はやてがガジェットドローンって言葉に反応してたから、
 何かあるのかなと思ってさ」

はやての問いかけにゲオルグは苦笑して頭を掻きながら答えると、
はやては吃驚した様子で大きく目を見開き、次いでバツの悪そうな笑みを浮かべた。


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