第十三話 エックスSIDE6
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泣かないって決めたはずなのに…!!」
ルイン「泣いていいんだよ。涙が流せるのって…とても素敵なことだよ。」
エックスは涙を流し、大きく泣いた。
今まで堪えていた全てを吐き出すように。
しばらくして、泣き止んだエックスは彼方を見つめていた。
破壊され、散らされたコンクリートは夜の闇に溶け込んでいる。
エックスは考える。
己の過去を。
戦いの日々を。
このハイウェイを進んだ時は、強大な敵に立ち向かう恐怖で押し潰されてしまいそうだった。
VAVAとの戦いに負けて、ゼロとルインに助けられ、非力さを噛み締めた。
再びこの道をチェバルで通った時、2人を失った張り裂けんばかりの悲しみがあった。
それでもこの道を駆けた。
避けえぬ戦いもあった。
カウンターハンター事件。
ドップラー博士の反乱。
レプリフォース大戦。
スペースコロニー・ユーラシア落下事件。
ナイトメアウィルス事件。
辛く悲しい戦いの日々だった。
しかし自分を支えてくれる仲間達がいた。
自分と共に歩んでくれる人がいる。
共に戦ってくれる親友がいる。
だから戦ってこれた。
エックスとルインはハンターベースには戻らなかった。
空は白んできて、雲は黄金に染まる。
柔らかい光が2人を照らしている。
エックス「ルイン…」
ルイン「何?」
エックスの声にかつての悲痛な響きはない。
エックス「ここはあの時のままだな。俺がシグマと戦おうと誓った時と同じ。俺はこの道を真っすぐに進んでいった。迷ってばかりの意気地無しだった俺が初めて決めたことだ。」
淡々とした声に悲しさはない。
はっきりと、力のこもった声。
エックス「あの時…俺は人々を守ろうと戦ってきた。今もそれは変わらない。なのに戦えなかったのは、きっと取り戻した平和が壊れるのを恐れていたから。戦いが始まる度に“また”、“いつになったら”と考えていた。その心がバスターを封じていたんだ。」
ルイン「………」
エックス「…だけど」
過去との決着をつける時が来たのだ。
エックス「俺はその気持ちを越えていかなきゃいけない。このままじゃ駄目なんだ。だって俺は自分を信じたい。ここで誓った想いを失いたくない。この始まりの場所で、もう一度信じて進んでいきたい。この想いを…俺と俺を信じて支えてくれたみんなのために!!」
バスターを構え、今までとは比較にならないほどの光
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