第十三話 エックスSIDE6
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?」
エックス「ここは…」
「動かないで下さい。あなたの傷は深い。今日1日、動かないで下さい」
エックス「1日?」
不満そうな声にライフセーバーは優しくも強い口調で言う。
「たった1日です。本当なら1週間は大人しくしてもらいたいのですから」
エックス「…分かった」
拗ねるエックス。
英雄やら救世主やら言われているエックスが、僅かに見せた年相応の姿。
ゼロ「ここは俺達が何とかするからお前はゆっくり休め」
エックス「ああ…」
「さあ、スリープモードに切り替えて下さい、よい眠りを」
エックスがスリープモードに入る。
しかし眠る間際、ジリジリと太陽が照り付けるような焦燥感が沸き上がるのだった。
目が覚めたのは翌日の、太陽が頂を極めた頃だ。
エックスが大急ぎで現場に行くと、既にビートブードとルインが指示を出していた。
ビートブード「隊長、瓦礫の撤去はまだ完了していませんが、この調子ならこの地域は何とかなるでしょう」
エックス「分かった」
辺りを見回しながらエックスは思う。
これが戦いの結果。
悲しみしか生まない。
今まで何度も同じことを繰り返してきた。
エックス「(一体いつになったら…)」
そう思った時、甲高い声が聞こえた。
「いつになったら戦いは終わるの!!」
人間の女性の声。
服はボロボロで傷だらけだ。
戦いの悲惨さを雄弁に語る。
「いつになったら普通の生活が戻るの!!あんた達イレギュラーハンターがしっかりしていないから!!私達はただ静かに暮らしたいだけなのに!!」
女性を宥めているのはルインである。
同性だからと、フォロー役を買って出たのだが、女性は収まる気配を見せない。
エックスは頭を金づちで殴られたようなショックを受け、逃げるようにこの場を去った。
ルインはそれを見た。
他のレプリロイドは作業に忙殺され、気にする余裕がない。
女性をメンタルサポートも出来るライフセーバーに任せ、ルインはエックスを追い掛けた。
他のハンターがエックスがいなくなったのを通信で伝えたのは数時間後であった。
ルインはエックスが向かった場所に心当たりがある。
恐らく今のエックスが行く場所。
全ての始まりの場所。
自分達の戦いが始まったあそこに向かったのだろう。
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