第十三話 エックスSIDE6
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エックス…あなたと私がシグマ隊長の部屋で出会ったあの日から長い長い年月が過ぎました…。
あなたと共に与えられた任務をこなしていくうちに、私はいつの間にかあなたの背中を無意識に追っていた…。
前世の記憶をある程度残していた当時の私からすればあなたは憧れの人でした…。
どれだけ悩み、苦しみ、傷ついて、挫けそうになっても最後には必ず立ち上がってくれる強い人…。
エックス…私はいつも、あなたのそんな強さに憧れていました。
そしてレプリフォース大戦の時、あなたから想いを告げられ、それに応えたあの日から、私はずっとあなたを支えてきた…そう、思っていました…。
この事件で私はあなたを支えられてないことを思い知らされました…。
戦えない辛さを噛み締めるあなたを見ていることしか出来ませんでした…。
私は…あなたを支えるどころか、ずっとあなたに支えられ、守られていたのだということに気付かされました。
ディザイアの時も、イレギュラー化の再発を恐れていた時も、あなたに甘えっぱなしで…。
私はあなたが1人で苦しみ続けていたことにさえ気付けなかった…。
だから…私は…今度こそ…。
緊急手術室のライトが消え、重苦しい沈黙が解かれたのは数時間後。
ゼロは静かに部屋に入る。
室内に足を踏み入れるとナノマシンの溶液の匂いがした。
銀色のトレーには物々しい手術道具が並べられていた。
これらはエックスの処置に使われた物ではなく、万が一手術が長引く場合の時に予備として置かれた物。
この準備万端な手術セットがエックスの重傷を物語っていた。
ゼロは冷静に、ライフセーバーに問い掛けた。
ゼロ「エックスの容態は?」
「ええ、命に別状はありません」
柔らかい笑みを浮かべるライフセーバー。
普段ならライフセーバーの笑みは信用ならない。
ハンターベースではライフセーバーが笑ったら注意しろという掟がある程である。
しかしこのライフセーバーは信用出来る。
「不思議ですよ。通常なら死んでいてもおかしくないというのに生きている。恐らくエックスの心が生かしているのでしょう」
ゼロ「お前がそんなことを言うなんてな」
他のライフセーバーはそのようなことは言わない。
しかしこのライフセーバーは柔和な笑みを浮かべながら言う。
「あなた方のせいですよ。あなた方は私の常識をいとも簡単に突き破ってしまう。だからこそこう思うんですよ」
そのような会話をしていると、エックスが目を覚ました。
ぼんやりとした瞳をゼロに向ける。
ゼロ「気がついたか
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