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Angel Beats! the after story
それぞれのクリスマスゆりっぺ×野田の場合
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言われてお言葉に甘えて帰ることにした。

帰る間際、園長先生に親指を立てられて、なぜか疲れが押し寄せてきた。

お互い沈黙の中、歩いていると野田くんが急に止まる。

「ゆ、ゆゆゆゆりっぺ!話がある」

体をガチガチに固めている野田くん」

「どうしたの?改まって?」
野田くんはポケットに手を入れ、一つの箱を取り出した。

「メ、メメメメリークリスマスゆりっぺ」

その箱を渡される。小物かしら?

「開けてもいい?」
首を縦に振る野田くん。

綺麗に包装された箱を受け取り中を確認する。

「これってブレスレット?」

「ああ。今日のために一生懸命考えたんだ」

野田くんが渡してくれたのはピンク色の数珠に薔薇の装飾が可愛く施されているものだった。

「ありがとう野田くん。とても、とても嬉しい。でも、なんで薔薇なの?」

刺々しいとかだったら即排除。

「それはだな……。薔薇の花言葉知っているかゆりっぺ?」

「教えてくれると助かるわ」

少しの沈黙の後。野田くんは口を開いた。

「薔薇の花言葉は『あなたを愛しています』だ」

私に好意を寄せているのは誰が見ても分かるくらい。でも、改めてこう言われると、なんだろう、とても嬉しい。

「告白かしら?」

「そう受け取ってくれて構わない」

そう、と一言残す。

でもね、野田くん。私は……。

「私だけがこういうことをされるのを弟、妹たちは許してくれると思う?長女の私がもっとしっかりしてれば、あの子たちはきっと、今の私のように告白されたり、したり、していたかもしれないのよ。たまたま死後の世界から生きている世界に転生できた私に幸せになる権利なんてないのよ。私は……ほんと、ダメな長女よね」

目から涙が溢れ出してくる。こんな楽しいクリスマスなのに……。

「そんなことはないぞ。ゆりっぺ」
肩に手を置く、野田くんを見る。

「ゆりっぺは死後の世界で誰よりも自分の十字架を背負ってきた。誰よりも悔やんでいただろ?1人本部で……。ずっとドアの向こう側で歯痒い思いをしていたよ。何か、できることはないかって。でも、俺は頭が良くない。だから、精神的ではなく物理的にゆりっぺを守ろうと誓ったよ」

「違うわ。私は神以前に私自身を殺したかった。でも、それが叶わない世界。だから、少しでも楽になるように自己中心的に人を集めた。それだけよ」

「でも、俺はそんなゆりっぺの自己中心的なおかげで救われた。だから、他の誰かが許さないとしても、俺だけはゆりっぺを許す。それに、ゆりっぺは十分よくやった!それは俺だけじゃない、戦線のみんなが知っている!だから、答えてくれ」

野田くんは大きく深呼吸をし、意を決して言う。

「ゆりっぺ
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