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日向の兎
1部
5話
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ある日の事だ、アカデミー内でヒナタを見つけ声をかけようと近づいて見ると、彼女は誰かを見ているようだ。ふむ、心拍数やらから察するに恋という奴か?
むう……私も姉として妹のそういう感情は喜ぶべき事なんだが、ヒジリという一個人としては嫉妬のような感情を抱かずにはいられない。とはいえ、その相手がロクでもない男であれば躊躇いなく男を解体するんだがな。
というわけで、ヒナタの視線を追ってみるとそこには手裏剣を投げている見覚えのある少年がいた。
「ナルトか……悪くはないか」
「ね、姉さん!?」
「それほど深い仲ではないが中々見所のある男だ。なに、私は応援するよヒナタ」
「お、応援って何を!?」
「私に隠し事は出来ない、それはヒナタがよく分かってるんじゃないか?」
「う、うう……」
「なに、恥じる事はない。が、見守るだけでいいというのは良くないな」
顔を赤らめて俯くヒナタの頭を撫でてから、ナルトの方へ近づく。すると彼は気配を察したらしく、手裏剣を投げるのをやめて振り向いた。
「ウサギのねーちゃん!?」
私だとは分からなかったようだが……ヒナタといいナルトといい何故私を見ると驚くのだ?
「ナルト、退屈そうだな。どれ、また遊んでやろうか?」
「よし!!俺ってば今日はねーちゃんに勝てる気がするってばよ!!」
「それは結構。ただし、今回は条件がある」
「条件?」
「ああ、ヒナタ!!」
先程から柱に隠れていたヒナタを呼ぶと、彼女は少しの間躊躇う素振りを見せたが、しばらくしてからおずおずと柱の影から姿を見せた。
「こ、こんにちは……」
「私の愛すべき妹のヒナタと組んで貰う、それが条件だ」
「2対1?ちょっとねーちゃんが不利過ぎるってばよ」
ナルトは少なからず不満げな表情でこちらを見る。ふむ、どうにも侮られていると思っているようだな。
とはいえ、本気を出す訳にも白眼も使う訳にもいかんしな。前者は人殺し以外出来なくなり、後者は体術に関しては動きが完璧に読める為に負けようがなくなる。
さて、どうしたものか……ああ、そうだこれがあった。
「では忍術を使わせてもらおう、それでどうだ?」
「姉さん、忍術使えたんですか?」
「使う必要があまりないが、使えない訳じゃない。ナルトもそれでいいな?」
「ね、ねーちゃん、一応確認するけどその忍術ってば、前のあれみたいなんじゃないよな?」
前のあれ……ああ、木を破裂させたあれか。
「当然だ、そもそもあれは体術に近いものだからな。それでは二人で簡単に作戦会議をするといい、初対面同士で連携も何もないだろう」
私は二人にそう言ってから、ヒナタの耳元で、
「頑張りたまえ、私の妹よ」
と呟き、私は忍術の為の準備をする為に少し離れた場所にある水飲み場へ向かう。


如何せん私は忍
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