紅蓮の傍に寄り添うのは
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ルカに守られてるだけじゃ嫌だよ。私だってアルカを守れる。……たまには、頼って。守らせてよ」
ありったけの力を込め、立ち上がる。
ここで倒れたらアルカが辛い思いをする、と自分に必死に言い聞かせる。それでも痛みも何も変わらないけれど、ミラの中で決意が更に固くなった。
そしてそのまま接収を使おうとして――――――
「ミラ」
名前を、呼ばれた。
真横から聞こえた声に顔を向けると、ぐいっと腕を引かれ、ぽすりとアルカの腕の中に納まる。
炎の魔導士だからか、常人よりも温かい体温が滲むようにミラの体に染み込んでいく。
「降参」
「え?」
「だから、降参だって言ったんだよ。……そうだよな、ミラだって守られてるだけじゃ終われねえよな」
「うん」
「でも、認めたくねえがアイツは強い。“魔人”でも勝てるかどうか解らねえ」
「……うん」
それは解ってる。
先ほどの一撃をもう1度使われたら、今度こそミラは立ち上がれない。何が起こったのか今でも解らないあの一撃は強力で、今のミラでは耐える事も出来ない。
「だからな」
そんなミラの心境を悟ったのか、アルカは抱きしめたまま口を開く。
共闘しよう、と言われるのかな、と考えるミラは、そう言われた場合の答えを頭の中で作り出す。
―――――――まさかこんな事を言われるなんて。
どうやったって、この時のミラには考えつかなかった。
「オレを、接収するんだ、ミラ」
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