紅蓮の傍に寄り添うのは
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「!」
「うわっ、何この魔力!?」
術式と現在も格闘中のルーシィ達は、上から感じた魔力に思わず顔を上げた。
すると、しばらく黙っていたパラゴーネが「リーダーか」と呟く。
「リーダー…って、エスト?」
「肯定する。この魔力はリーダーしかいない」
「凄い魔力だねー…」
「うむ。その魔力の数多は小倅のアルカンジュ様に継受されたのだろう。だから……」
そこから先を、敢えてパラゴーネは言わなかった。
何が続くのか、ルーシィ達は悟ったから。3人の表情が暗くなったのに、パラゴーネも気づいたから。
そこまで言って沈黙して、パラゴーネは術式に目を向ける。
(……謝罪する、師匠)
術式からグレイに目を移す。
彼女の視線に気づかないグレイは、暗い表情で俯いている。
パラゴーネは微笑んで、俯いて、紅蓮の瞳を伏せて、何かを決意するかのように拳を握りしめた。
(私は―――――もう、どうしようもないよ)
(だから、こんなどうしようもない私を許してくれ)
「あ…ああ……」
接収が解けた。
ドサッと倒れ込むと、エストが冷たく見下ろしているのが見える。その目には先ほどまでの愁いはなく、ただただ怒りが凍りついたようにこちらを見ていた。
「ミラ!」
鎖が消えたのか、倒れるミラにアルカが転びそうになりながら駆け寄り、その体を抱える。
心配そうなアルカの表情と鮮やかな赤い髪が目に飛び込んできて、こんな状況ながらミラは少し安心した。
「大丈夫……だから…」
「バカ!何が大丈夫だよ!どこをどう見たって大丈夫じゃねーだろうが!オレの目はそんなバカじゃねえよ!」
その黒いつり気味の目が潤んでいるように見えて、その顔が今にも泣きだしそうにくしゃりと歪んでいるように見えて。
思わずミラが呟くと、喚くようにアルカは叫んだ。
ポタリ、と額に落ちたのはアルカの涙だろうか。
「こっからはオレがやる。何があってもオレが……!」
ミラを離しエストへと向き直ろうとしたアルカの腕を咄嗟に掴む。
ぐい、と腕を引かれた事で動きを止めこちらを見るアルカに、ミラは紡ぐ。
「ダメだよ、アルカ……あの人は、アルカのお父さんなんだから」
「違う!あんなの…あんなの父親だなんて認めねえ!」
「そうだとしても、あの人はアルカと戦うのを望んでないよ。アルカだって、こんな再会望んでないんでしょ?」
その言葉に、ハッとしたようにエストを見る。
エストはびくっと肩を震わせて、真っ直ぐにこちらを見ていた目を下に逸らした。まただ、と苛つく。あの男はどうやったって、アルカと目を合わせようとしない。
「だから、私がやる。私だって、ア
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