暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
紅蓮の傍に寄り添うのは
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、つっかれたあ!」

ひっくり返るようにその場に座り込んだクロノは天を仰ぐ。
評議院の制服が汚れようが皺になろうがお構いなしのその姿からは、先ほどの戦いで見せた強さは欠片も感じられない。
まあ見た目がどうであれ、ジョーカーは気絶しているし勝ったのは間違いないのだが。

「もうダメだ、オレこのままじゃ限界。しばらく寝る」
「ちょっ…ここで寝るの!?」
「……」
「もう寝てるし!」

ぽてっと横になったかと思えば3秒と立たずに爆睡しているクロノに、レビィがツッコみを入れる。
確かにここまできて休みを入れずに戦ったのだから疲れているのも当然とは言えるが、こんな突然に爆睡するほどではない気がしなくもない。

「おーい!お前等ー!」
「そこで寝てるバカは…クロノか」
「スバル!ヒルダ!」

と、そこにスバルと、彼に肩を貸すヒルダが戻ってきた。
裾やら袖やらがボロボロになったスバルとは対照的に、ヒルダはほぼ無傷といっても間違ってはいない。
そんなスバルの脇腹と左足の怪我に気づいたのだろう。ウェンディが慌てたように駆け寄る。

「スバルさん、その怪我……!わ…私、急いで治癒魔法を……」
「ん?あ、これか。少しミスっちまってさあ」
「アレのどこが少しだバカ。私が来なければ死んでいたクセに」
「ぐっ…何で解んねーかなー女に助けられたっての男のプライドが許さねえってのにさあ」
「?……私はお前の事を男として見た事は1度もない」
「な、何ぃっ!?」

ウェンディの治癒魔法によって左足の怪我を治してもらっているスバルがボソボソと呟くと、不思議そうな表情のヒルダがポツリと呟いた。
“男として見た事は1度もない”という言葉がよほどショックだったのか、スバルは思わず大声で叫び、ヒルダは迷惑そうにジロリと睨む。

「…うるさい」
「わ、悪ィ。けどさ、男として見た事ねえってのは……」
「……?当たり前だろう?」
「当たり前なのかよ…」

何言ってんだコイツ、と言いたげにこちらを見つめるヒルダから目線を逸らし、スバルは溜息をつく。
何かもう泣きたくなってきた…とか何とか考えていると、ヒルダがもごもごと呟いた。

「お前の事は……“スヴァル・ベルテイン”としか見た事がない」
「……っ」

目を逸らし髪で顔を隠しながら呟くヒルダに、スバルは言葉を失う。
現在16歳の彼女は、最近女性らしくなったと思う。同チームのサルディアに比べると男勝りな面もあるが、こうやって時々心臓に悪い事を言うのだ。

(コイツは…これで無意識だったらタチ悪ィにも程があるだろ!ちっとはこっちが男だって事をしっかりはっきり認識してくれませんかねえ、ったくよォ……)

はぁ、と溜息をつくスバル。
その発言が無意識ではなく、相手がちゃん
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